もふちゃん

ある静かな夜のこと。路地裏に流れ星が落ちてきて、明かりにつられたおばけたちが集まってきました。そこには真っ白でもふもふしたものが。「わたしたちにそっくり！」おばけたちはそのもふもふをきちんと調べることにします。白くてひらひらの体。足は生えていない。おばけたちとは違う場所に三角の布がついています。もしかして、半人前のおばけなのでしょうか？

「なまえは？」「おうちは？」「どこからきたの？」と次々と質問するおばけたち。でももふもふは「ふわーん！おうちにかえりたいよー！」と泣き出してしまいます。おばけたちは「きっといちにんまえになれば おうちにかえれるよ」と、もふもふをなぐさめます。こうして、いちにんまえのおばけになる特訓が始まりました。

作者は、大好評「しろくまきょうだい」シリーズ（白泉社）の絵なども担当する、人気イラストレーターのsericoさん。ほっこりする温かみのあるイラストが魅力です。かわいらしいキャラクターと心温まるストーリーに、子どもも大人も癒されることでしょう。

しげみに隠れたり、ソフトクリームやてるてるぼうずに変身したり。たくさん特訓するもふちゃん。いよいよ人間をおどろかそうとしますが……。謎のもふちゃんの正体やいかに！？ ぜひ絵本でチェックしてください。

（出合聡美  絵本ナビライター）

いったい　なにもの!?
ある夜のこと。空から、まっしろでもふもふの何かが落ちてきました。見つけたおばけたちがふしぎそうに見ていると……むくり！　もふもふした何かが起き上がりました。おばけたちは「わたしたちにそっくり！」と、次々と質問をします。しかし、もふもふは自分の名前やおうちを忘れてしまったようで、「おうちにかえりたい」と泣き出してしまいました。心配したおばけたちは、「きっといちにんまえのおばけになればおうちにかえれるよ」と、もふもふが立派なおばけになるための特訓をしてあげることになりました。
おばけとしての規則正しい生活に、おばけになりきる練習、おどろかす練習……。たくさん特訓をしたら、あとは人間をおどろかすだけ……。ところが、女の子が現れて!?

心がほっとあたたまるハートフルな結末に、やさしい気持ちになれる絵本です。