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魔女だったかもしれないわたし キーディの物語

魔女だったかもしれないわたし キーディの物語

  • 児童書
著: エル・マクニコル
訳: 櫛田 理絵
出版社: PHP研究所 PHP研究所の特集ページがあります!

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作品情報

発行日: 2024年12月25日
ISBN: 9784569881997

出版社のおすすめ年齢:高学年〜
四六判上製/240ページ

この作品が含まれるシリーズ

みどころ

主人公は、スコットランドの小さな村「ジュニパー」で暮らす少女キーディ。物語の中で14歳の誕生日を迎えるキーディは言いたいことをはっきり言い、自分に嘘をつかない正義感あふれる女の子。自閉と診断されているけれど、この物語からは、感覚が鋭くてセンスが良く、はっきりと自分の考えを伝え、友達への熱い心を持っているキーディの素敵さが大きく感じられることでしょう。

物語の魅力として注目したい点を大きく3つご紹介します。

1つ目は、キーディの毎日に起きる出来事が、キーディの心の声とともに語られていくことです。村の交流センターで、からかわれている子を見てスイッチが入りビリヤード台に登って相手を注意したり、大事な親友を守るために命綱なしで木に登ったり……。一見突飛な行動に見えてしまうものの、そこに至るまでの道すじを丁寧にたどっていくと、キーディの行動が全く間違っていないことが分かります。けれども周りからはなかなか理解してもらえず、キーディは「みんなの頭には遮断機のような制御装置があって、出てこようとする言葉や行動を封じこめる。でもあたしの頭には、そういう制御装置がない」「あたしのとって学校は、いってみれば嵐の海。仲間の船員が以いないなか、船の修理もこなしながら、たったひとりで必死にかじを取っている」と考え、普通と呼ばれる人たちの中でとても苦労しています。

2つ目に注目したいのは「いじめ問題」への鋭い示唆です。もともと正義感が強く弱い立場の人を守ろうとするキーディは、学校で〈いじめ退治代行サービス〉を始めます。「あくまでも非暴力で対応します。学校のいう「いじめゼロ対策」に失望している方、ぜひ連絡を。」というチラシを作ると、キーディにいじめ退治をお願いする子がぞくぞくと現れます。キーディが言う「先生たちは、生徒のために毎日かいがいしく働いてくれていて、だからこそ本当のいじめっ子に気づく余裕がない。」という学校への指摘や、「どの時代でも、いじめっ子が考えることは同じです。」に続く言葉など、いじめについての鋭い言及があちこちにあり、考えさせられます。

最後の3つ目に注目したいのは、姉妹の関係性です。キーディにはニナという双子と、アディという妹がいます。双子のニナとは昔は仲が良かったのですが、成長していくにつれ、ニナが周りからどう見られるかばかり気にしていてるようになったり、いじめっ子たちのグループと一緒にいるようになり、キディはニナが変わってしまったと感じて理解することができません。でもニナにはニナの思いがあります。キーディの言動によって周りからいろいろな目で見られてしまうことや、小さな頃からお世話をしてきた6歳の妹アディが自分には懐かず、キーディにばかり心を開いて二人がどんどん絆を深めていくのを見て孤独も感じているのです。アディが絡みながらの姉妹の関係性においてはキーディとニナ、両方の気持ちを想像しながら読みたい部分ですが、両方の気持ちを想像できるように物語が構成されているのは素敵なところです。一方でアディが自分と同じように自閉の傾向を持つことに気づいたキーディがアディを全力で守っていこうとする姿もみどころです。

今回、キーディは村の創始者について調べる中で驚きの事実を知ることになります。長年崇められてきた創始者が行ってきた過去の行いはキーディには許しがたいものでした。しかし創始者の名前がつけられた村「ジュニパー」は小さくて保守的な村で、もっとも大事にしているものは「同調性」であり、人と違うことをしたり声をあげる人にはやさしくない場所です。そんな村でずっと息苦しい思いをしてきたキーディは、村が変わっていくための火薬をまき、その先は妹のアディに望みを託します。その思いを継いだアディの物語が、本作品に先だって2022年に刊行された『魔女だったかもしれないわたし』です。こうして見ていくと、本作品と『魔女だったかもしれないわたし』の物語は、キーディとアディが「ちがう」ということで虐げられずにただ自分らしく生きるための闘いの記録といえるかもしれません。この2冊のどちらから先に読んでも良いかと思いますが、合わせて読むとキーディとアディへの理解がさらに深まります。
物語の後半、「あたしは自閉的な人間のひとりとして、こううったえたい。」と話すキーディ。この物語からは気づかされることが本当にたくさんあります。1つ目の注目したい点で挙げましたが、何よりもキーディの立場から語っているということに本作品の大きな存在意義を感じます。

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

出版社からの紹介

第69回青少年読書感想文コンクール課題図書『魔女だったかもしれないわたし』の前日譚。
スコットランドの小さな村・ジュニパーを舞台に、前作から遡ること5年――。前作の主人公・アディと同様に自閉の姉・キーディは、意図せず「いじめ」から生徒を守る側として活躍し、学校で「いじめ退治代行サービス」を始めることになった。自分が正しいと思ったことをどこまでも成し遂げようとするキーディは、いじめ退治の依頼者から報酬をもらうようになり、ある計画を立てていた。
一方、キーディと双子のニナは、キーディとは大きく異なる性格をしている。ニナは常にスクールカーストの頂点に立ち、いじめっ子たちの味方になっているように見える。周りからどう見られるかばかり気にしていて、昔と変わってしまったニナに、キーディの心はどんどん離れていく。
そんななか、キーディはアディがメルトダウンを起こしている場面に居合わせて……。
同調性や「ちがい」への不寛容さと葛藤しながらも、姉妹の絆を取り戻し、強くまっすぐ突き進む自閉の少女・キーディの物語。

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