![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
あるところにお菓子づくりが得意で、おいしいチョコレートをつくるために毎日、研究を続けるショコラータ博士がいました。 博士は、ときどき自慢のボンボンショコラを空からまいて、町の人を喜ばせます。
しかし近頃は欲深い人間たちのせいで森がどんどん失われ、材料のカカオが取れなくなる一方。 他の食べ物も手に入りにくくなり、町の人々もケンカばかり。 「こんなときにボンボンショコラをプレゼントできたら……」と思った博士は、「月の涙」という特別なカカオ豆を探しに旅に出ることにしました。
「月の涙」は“奇跡の森”にあるという、人々を幸せな気持ちにするカカオ豆。 ショコラータ博士は「月の涙」を見つけることができるのでしょうか……? 後半登場する、ちょっぴり変てこでかわいい妖精が、「月の涙」と博士を結びつけるカギになります!
作者は「パティシェ エス コヤマ」のオーナーシェフである小山進さん。 博士がバラの香りのボンボンショコラに添えた「“おいしい”は、やさしくなれる まほうのことば」というメッセージが素敵です。 絵は『ビートルくんときんいろのバウム』(フレーベル館)でもタッグを組んだ松並良仁さん。 ショコラ色の細い線で描かれた街並や飛行船、猫の気球が魅力的! 個人的には、博士のそばにいる、紳士のような口ひげのねこが気になってずっと目で追っていました。 ショコラから“おいしいしあわせ”への愛が感じられる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
物語の主人公は、チョコレートづくりが大好きなショコラータ博士。博士の楽しみは人を喜ばせること。ボンボンショコラをつくっては街中にまいて人々を笑顔にさせていました。 その一方で、一部の欲深い人間たちによって自然破壊が進みます。結果、カカオが採れなくなり、食べ物だけでなく虫や動物たちもいなくなってしまいます。すると、人々からは笑顔が消え、四六時中いがみ合うようになってしまいました。 「こんな時にショコラがあれば……」博士はそんな状況を変えるため、「おいしいチョコレートでみんなを笑顔に幸せにしたい」という一心で、「幻のカカオの木“月の涙“」があるという「奇跡の森」を探しに旅に出るのでした――。
パティシエ エスコヤマ 小山進がバラの香りの一粒に込めた、心温まるメッセージ。つながりが希薄になりそうな今の世界に向け、自然の尊さと人へ思いを伝えることの大切さを、甘いボンボンショコラを通じてお届け!
|