
クリスマスが近づいて、みんながうきうきしてくるころ、三太くんはうんざり。なぜって、三太くんは「黒須三太(くろす・さんた)」という名前だから。そして、今年は1年生の間に「三太くんにお願いの手紙を書けば、クリスマスにはほしいものがもらえる」なんていううわさがたっているらしいのです。ほら、学校のくつ箱に手紙が入っています。 そんなある日、三太くんがコンビニをやっている友だちの家でふしぎなものを見つけました。「to Santa Claus……サンタクロース宛て」と書いてある、まるでポストのような赤い箱。三太くんたちは1年生からもらった手紙をそこにしまっておくことにしました。 三太くんが家に帰ると、自転車置き場に見たこともない大きな動物が。それはなんとトナカイ。三太くんに向かって、「今年のクリスマスに、サンタさまといっしょに空を飛ぶことになりました。サンタさまはあなたです。あなたがクリスマス本部から今年のサンタクロースに指名されたのです」といいます。トナカイのルドルフの話では、「ここ100年ばかり、ほんもののサンタクロースは行方不明で、いまは世界で100万人のサンタクロースが指名され、100万頭のクリスマストナカイが派遣されている」。 サンタクロースになるなんて、そんなの無理! と、三太くん。でも毎日、三太くんの靴箱には1年生から手紙が届きます。 本物のサンタクロースが行方不明になった理由って? いなくなったほんもののサンタクロースの正体とは? 登場人物たちと「ちょっとおかしなサンタクロース気分」を味わうことのできる、笑いがあふれ、心がほろっとするお話です。 すべての漢字にふりがなつきで読みやすく、子どもたちの冬の読書が楽しくなります。クリスマスプレゼントにもぴったりです。
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