![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
宮沢賢治の名作「セロひきのゴーシュ」が、武田美穂さんの親しみやすい絵で、ぐっと身近になりました!
ゴーシュは楽団のセロ弾きですが、演奏が下手で、楽長に叱られます。しょんぼりしながら町はずれの壊れた水車小屋の家まで帰って、夜も練習するゴーシュ。そこに動物たちが次々訪れます。 ネコに「トロイメライをひいてごらんなさい」と言われたり、カッコウに「あなたのは なにか すこしちがうんです」と言われて、ゴーシュがむっとしたり。どこか浮世離れした、憎めない雰囲気の動物が、入れ替わり立ち替わりやってきてアドバイスしたり、セロを弾いてもらいたいと懇願したり……。なんともへんてこな味わいがあります。
セロが思うように弾けず、ちょっと気難しそうなゴーシュも、武田美穂さんの手にかかれば、さらに情けなくユーモラスな感じに。個人的には、ゴーシュが力まかせに弾く曲「インドの虎狩り」の荒々しい音色や、カッコウがぶつかっていった窓の描写にやるせなさを感じました。しみじみと余韻が残る宮沢賢治の短編を、ぜひこの機会に味わってみてください。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
ゴーシュは楽団のセロ弾きですが、演奏がへたです。夜、家に帰って練習していると、ねこが入ってきて、音楽を聴かせてほしいと言います。しかし、むしゃくしゃしているゴーシュは、おそろしい曲を弾いて、ねこを追い払ってしまいました。つぎの夜は、かっこうがやってきて、ドレミファを教わりたいと言います。そのつぎの夜には、たぬきの子どもが、さらにつぎの夜は、ねずみの親子が・・・。そのたびに、ゴーシュは追い払おうとするのですが、動物たちといっしょに演奏しているうちに・・・。宮沢賢治の名作短編が親しみやすい絵本になりました。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
私は宮沢賢治の大ファンです。このお話はこれまで何度も読んでいますが、あらためてこの本を読ませて頂きました。これはとても奥深いお話です。ゴーシュと動物たちのふれあいはほんとに素晴らしいと思います。そしてこのお話の奥に人生の深い味わいを感じました。また武田美穂さんの絵はあまりにも素晴らしいと思います。 (水口栄一さん 60代・その他の方 )
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