![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
料理家で文筆家の高山なおみさんと、画家の中野真典さんによるこの本は、とてもパワフルで五感を刺激する絵本です。
ばかじゃない? へんじゃない?っておねえちゃんは言う。 でも、なみちゃんは知ってるんだ。 全部、全部ホントウのこと――。
紙で切って作った人形のすずちゃん。 柿の木の下にうめたはずのすずちゃんは、降りつづいた雨がやんだ日に掘ってみたら、いなくなっていた。
車にひかれてしまったカマキリ。 茶色のはねをもらっていいよって聞こえたから、もらったの。 おひさまにかざしてみたら、世界が光る。
ふしぎなことも、ありえないこともある毎日。 でも、なみちゃんはそれが全部「ホントウ」だと知っているんです――。
素朴な手書きの文字と、力強さと美しさに満ちた絵が、ひとりの女の子が見つめる生命を描き出していきます。 生命をはぐくむ、水、土、太陽の光。 なみちゃんが、身体全体で感じている、においや色や陽ざしが、ページをめくるたびに広がります。
小さい頃って、なんでもまじまじと見ていた。なんでも口に入れて、食べられないものは慌てて吐き出していた……。 ページをめくるうちにそんな思いが満ちてきます。 少女の感受性をそのまま絵本に体現したようで、子どもはなみちゃんと一緒に遊ぶ気持ちでしょう。大人は心をざわめかせずにはいられません。
(絵本ナビ編集部)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
穴にうめた 紙の人形。 ずっと見張ってたのに いなくなってた。 ほんとだもん。 くるまにひかれた カマキリの、すきとおった 茶色のはね。 もらっていいよって きこえたもん。 カマキリじてんしゃに のせてもらったの。 ほんとだもん。 人気料理家で文筆家、高山なおみの自伝的心象風景を、 中野真典が繊細かつ大胆に描きだします。
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