![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
イスラエルの少女ガリトとパレスチナの少女メルヴェトの文通には、兄弟姉妹への不満、学校の友だちのこと、ファッション、趣味など、少女らしい関心ごとが話題にあがる。しかし、手紙のはしばしには、「学校閉鎖」「軍による連行」「バスの爆弾テロ」などということばものぞく。二つの民のあいだにある「壁」は、何世代にもわたってつづいてきた。ほんの数行の事件として新聞などで伝えられる事実が、現実にはどれほど重いものであるかが、手紙を通してストレートに伝わる。また、立場がちがうとどれほどちがって見えるか、同時に子どもがどれほど平和を望み、家族を大切に思っているかをしみじみと感じさせられるノンフィクション。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
この作品は元々少女2人の文通を編集したものなので、だからこそあえて横書きのまま邦訳されているのだと思います。
が、個人的に横書きの本って苦手で、この本は人に薦められたものだったので「よしっ!読むか」と、実は自分にちょっとばかり気合いを入れてから読み始めたんです。
でも、読み始めたら一気に読んでしまいました。
イスラエル人のガリトとパレスチナ人のメルヴェト2人。
文通を始めた当時は12歳。それぞれの言い分、思い、時間の流れとともにお互いの気持ちも少しずつ動いていきます。
そして、ガリトとメルヴェトは文通を始めて4年目でやっと会うことができます。
実はこのふたりの住んでいるところの直線距離はたった15分の場所にすんでいたのですが、
イスラエル人はバリケードや塀をこしらえ、いくつもの検問を設けて、パレスチナ人が自分たちの街(領土内)に入ってこないようにしているため、
2人が会うためにはとても長い距離と時間が必要だったのです。
この本を読み、それぞれに起きた出来事を垣間見ることで、
これが民族紛争というものなんだと、身近なものとしてとらえることができました。
どうぞ、それぞれの民族の気持ちや言い分、社会に対する思いなどをガリトやメルヴェトから聞いてみてください。
イスラエルとパレスチナの紛争はいまだに続いています。
中学生・高校生くらいのお子さんたちにお薦めします。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子20歳、女の子15歳)
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