![内容紹介](/images/shoukai_naiyou.gif)
戦争が終わってから、ある一人のおじいさんが回転木馬を作り始めました。 おじいさんは、完成した回転木馬を昼間だけでなく夜も回します。 戦争中に空襲で死んだ子どもたちが回転木馬に乗りにやってくるからです。 大人たちは、夜も回転木馬を動かすおじいさんの行為を気味悪がりましたが、 おじいさんの死をきっかけに、その理由を知ることとなり態度が変わります。 おじいさんが亡くなったあと、回転木馬を維持するのは難しいことでした。 ところが、子どもだけでなく大人も残したいと思う人が日増しに増えて、 子どもも大人も一緒になり、回転木馬を残すための募金が始まります。 回転木馬は、平和のシンボルとして守られることになったのです。
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
回転木馬は、空襲で死んだ子たちの霊を見守る、平和の象徴
罪のない人々の命を奪う空襲がいかに非道で愚かな行為であるかを訴えます。 年端もいかない子どもの死はとりわけ大きな悲しみをもたらします。 戦争が終わったところで、人々の心は簡単に癒えるものではありません。
主人公のおじいさんは、空襲で自分の孫を亡くした過去を持つので、 子どもの死を悼む気持ちはいっそう強いものがあります。 そこでおじいさんは、子どもたちの好きな回転木馬を作って、 空襲で死んだ子たちに乗りに来てもらい、彼らの霊を慰めようとします。 昼間は子どもたちでいっぱいなので、死んだ子も乗れるように夜も回します。
回転木馬は、平和を実感させるやさしげな存在感を漂わせています。 まさに平和の象徴そのものです。 そうした反面、戦争の悲惨さや非道さを際立たせる役割も担っています。
おじいさん亡きあと、回転木馬はまちの人たちの手で守られることになります。 その行為は、もう戦争で二度と子どもを死なせないと誓う、大人の決意の表れです。 子どもたちには、平和の喜びをかみしめるシンボルとなって愛され続けます。
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