世界26か国の食べものを紹介した、楽しい大判絵本!
パパとママは、いつもぼくに「はやく はやく」というけれど。 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは、台湾から届いた絵本『「はやく」と「ゆっくり」』です。どんな内容なのでしょう。
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
朝からパパとママはぼくに言う。
「はやく はやく」
起きた時、ごはんを食べる時、出かける時。夜寝る時も。ぼくは目が回るように忙しい。田舎のおじいちゃんとおばあちゃんはぼくに言う。
「ゆっくり ゆっくり」
出かける時、森を歩く時、食べる時。まるで時計のない家に住んでいるみたいだ。ある時、おじいちゃんとおばあちゃんが家にくると、ぼくは「はやく」と「ゆっくり」の間にはさまれちゃって、どうすればいいのかわからなくなり……!?
いつもぼくに「はやく はやく」というパパとママだけれど、今日はちょっと様子がちがう。二人とも、とても「ゆっくり」な時間を過ごしている。そうすることが必要な時もあるのかな。
誰もが心の中に時計を持っている。それはパパやママ、おじいちゃんやおばあちゃんだって同じ。ぼくも自分のリズムを見つけてみよう。そうすればきっと……。
台湾から届いたこの絵本。さまざまな時間の感覚を体験しながら少しずつ成長していく男の子の様子を、あたたかな目線で描き出します。「はやく」と「ゆっくり」って面白い。わかったつもりになっていた大人の心にも響く一冊ですね。
自分で考えてみれば
「はやく」しないと間に合わないこと。「ゆっくり」じゃないと見えてこないもの。それがあることを知っているから、大人はついつい口に出してしまうもの。だけどそれって、なんのため? 一歩立ち止まって考えてみれば、きっと自分のリズムが見えてくるはず。「はやく」と「ゆっくり」。時間って意外ともっと自由なものなのかもしれませんよね。
この書籍を作った人
1973年生まれ。台湾中部の雲林県で育った。台湾師範大学で中国文学を学び、文学博士号を取得。高校教師を経て、現在は教育改革に関わる活動に取り組みつつ、作家としても活躍している。
この書籍を作った人
台湾の絵本作家、イラストレーター。英国ロンドンのキングストン大学でイラストレーションを学んだ。現在、イラスト制作のほか、服飾や雑貨にイラストを提供し、共同制作している。
この書籍を作った人
台湾人の父と日本人の母のもとに生まれ、11歳まで台湾で育った。現在、作家、女優、歯科医師として幅広く活躍している。台湾に関する著作も多く、台湾で家族と暮らした思い出をつづったエッセイ『私の箱子』『ママ、ごはんまだ?』(ともに講談社)は、日本で映画化、台湾では舞台化された。2015年より台南市親善大使を務め、日台文化交流に力を尽くしている。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)がある。