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絵本紹介
2022.12.21
おすしが服を買いにきた!? 今日はサーモン、それともトロ? 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介する絵本は、『おすしが ふくを かいにきた』。ミニチュア写真家・見立て作家として大人気の田中達也さんが手がける写真絵本。さて、どんな内容なのでしょう。
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
おすしが買い物にやってきた。ずらりと並んだ華やかなネタ……いえ、服を見ながら迷います。
「サーモンにします?」
「おもいきって、トロにしようかな?」
続いてアイスは帽子を買いに、箱の親子はリボンの着付け、サウナにやってきたのはシュウマイ、ソーセージは車を買いにきます。いちごが自分のベッドに選んだのは……?
ミニチュア写真家・見立て作家として大人気田中達也さんが手がける写真絵本第2弾。「おすしがふくを」という言葉だけで、すでに期待に胸が膨らみます。いったいどんな「みたての世界」が繰り広げられているのでしょう。
表紙にはお皿のビル。洋服屋の奥にはいくらのネックレス、板チョコのカウンター、ふかふかなパンの車にレタスの海、マカロンのソファーに美味しそうなベッド。使われているのは見たことのあるものばかりだけれど、登場するのは最高にワクワクする見たことのない景色。
一枚の写真でも楽しめる田中達也さんの作品だけれど、こうして絵本になってみると、じっくりゆっくり見れば見るほど、さらにストーリーが広がっていくようです。隣の部屋はどうなってるのかな、パンの車の乗り心地はどんなかな、ケーキのベッドはいい香りがしそうだな。ページのすみずみまで眺めていると、その世界の中に入っていけるような気持ちになってきます。
さて、買い物を済ませた彼らは、その後どんな一日を過ごすのでしょう。あるいは次に登場するとしたら、どんなお店がいい? みんなでわいわい、ひとりで静かに。想像の世界の中を楽しんでくださいね。
リアルと空想が入り混ざって
普段使っているものが、全然別のものに。見立ての世界の中で生き生きと暮らす彼らに、ぐぐっとカメラが近づいたり、ぐーんと引いて俯瞰の景色になったり。どこまで細かく見ても、しっかりと作り込んであるのですからたまりません。リアルと空想が入り混ざったおかしな楽しさは、いつまででも見ていたい! 不思議な魅力でクセになってしまうのです。
この書籍を作った人
ミニチュア写真家・見立て作家。日常にあるものを別の物に見立てたアート「MINIATURE CALENDAR」を、2011年からInstagramで毎日発表し続ける。展覧会を国内外で開催。主な著書に『MINIATURE LIFE』、『MINIARURET TRIP IN JAPAN』、『MINIATURE at HOME』、絵本『くみたて』(福音館書店)、『おすしが ふくを かいにきた』(白泉社)など。Instagramのフォロワーは360万人を超える。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。