のりもの好きな子大集合!
絵本紹介
2023.03.22
あたたかな風に吹かれ、やわらかな香りに包まれる春。 一斉につぼみを開く草花の美しさ、愛らしさは、私たちの心をますます明るく優しくしてくれます。日本の植物学の父と呼ばれる牧野富太郎をモデルにしたNHK朝の連続テレビ小説「らんまん」の放送も4月から、主人公を通して草花の不思議や魅力にさらに惹き込まれそうな予感がします。
そこで、春の植物をテーマにした絵本やおはなし、図鑑を集めてみました。見ているだけで幸せな気分になる、春色の草花。本の中でもみずみずしい生命力にあふれていて、新しい季節に向かう力をもらえそうです!
みどころ
おしゃべりをはじめる前のあかちゃんに「語りかけ」が大事と聞くけれど、いったいどんなふうに「語りかけ」ってすればいいの? そんな不安を抱える新米ママパパにおすすめなのが、読めばそのまま、あかちゃんへの「語りかけ」になる、こがようこさんの人気絵本シリーズ。これまで「ひよこ」「いちご」「どんぐり」「えだまめ」などいろいろなテーマが出ています。
やわらかそうなピンク色の桜の花びらが、1枚、また1枚。リズムよく並ぶ花びらをひとつずつ見ていくと……。「あれ、花びら、ねちゃってるね」 横向きになった花びらを見てあかちゃんに語りかければ、きっと、にっこり。あかちゃんが初めて出会うものへの興味・関心や心の動きに、自然に寄り添っていくことができます。
作者は長年おはなし会の活動を続ける、こがようこさん。オノマトペを生かしたやさしい言葉で、何度も繰り返し楽しめる、乳児向け絵本や紙芝居に定評があります。
巻末には「語りかけ ちょこっとヒント」があります。ふーっと息を吹きかけたり、そっと指でつまんでみるしぐさをしたり……。ヒントを参考に、挑戦してみてくださいね。
もしかしたら、はじめての子育てで、空や花を見る余裕もないほどに夢中で子どもの世話をしている方もいらっしゃるかもしれません。ようやく首がすわって、お散歩に連れ出せるようになって……あかちゃんと同じ目線で世界を眺めるとき、花や雲や空の色が、それまでと違って見えることも。これぞ、子育ての醍醐味です。親子に、新鮮で幸せなひとときをくれる「語りかけ絵本」シリーズ。ぜひ一度手にとってみてくださいね。
この書籍を作った人
作家。絵本コーディネーター。20年以上にわたり、さまざまな場所でおはなしを届ける活動を続ける。絵本作品に『あたしおねえちゃんなの』(スティーナ・ヴィルセン・絵/クレヨンハウス)、『ママがおねつのおはなし』『10人のきなちゃん』(童心社)、『わがまんまちゃん』(大日本図書)がある。
出版社からの内容紹介
「歌いかけ」という言葉は、現在の児童教育の専門家の中でさかんに聞かれるようになったキーワードです。
童謡(わらべうた)はそれがそのまま一つの「お話し(ストーリー)」です。
「語りかけ」から「読み聞かせ」は、子どもたちにとっては大きな開き(違い)があり、「なかなかうまくいかない」という声を多く聞きます。
このシリーズは、お歌が絵本のお話しになっているので、子どもたちにすぐに受け入れられます。
「読み聞かせ」につながる「歌いかけ」という最も大事な時期に大活躍をします。
子どもたちが大好きでよく知っている曲ばかりを選びました。
「絵本の世界」の入り口として間違いなく必須アイテムとなる、今までなかった新しいコンセプトの絵本シリーズです。
・1冊で1曲の「おうたえほん」
・子どもが大好きでよく知っているおうたが「お話し絵本」に
・かわいい手のひらサイズのミニブック
・お好きなセット組でプレゼントに
・おでかけのお供にバッグの中に
・高品質で低価格
・角丸のボードブックで安心
・すべて違うイラストなのでコレクションとしても楽しい
みどころ
たろうくんがあそんでいると
すずめがたんぽぽの上でさわいでいます。
すずめの声にみみをすますと、
「たんぽぽは たんぽぽ
たんぽぽは たんぽぽ
たんぽぽは たんぽぽ」
楽しそうなすずめたちにあわせて、
たんぽぽたちも
ぴん、ぴん、ぴーんとはなびらをのばします。
そのたんぽぽたちの上を
歩いているのは、小さなありんこ。
今度は、たんぽぽの声にみみをすますと、
「ありんこは ありんこ
ありんこは ありんこ
ありんこは ありんこ」
愉快な掛け声のリレーは、すずめから始まり、
たんぽぽ、ありんこ、ねこたち、そしてたろうくんへ。
はずかしがっているたろうくんも
最後はまけじと・・・。
おくはらゆめさんの描く、春の絵本。
くりかえしの言葉が楽しくて、
春がでんぐりがえししてぐるんぐるん
ころがって、ごろ、ごろ、ごろーん。
たろうくんの目線で描かれる
のびのびとした生き物たちの賛歌。
青空を眺めながら小さな命がすべて愛おしく感じる
かわいらしい絵本です。
この書籍を作った人
1977年、兵庫県生まれ。辻学園日本調理師専門学校卒業。2005年、MOE絵本・イラスト大賞 年間グランプリ佳作、2006年、第12回おひさま大賞最優秀賞、2007年、第8回ピンポイント絵本コンペ入選。『ワニばあちゃん』(理論社)でデビュー、同作で、第1回MOE絵本屋さん大賞新人賞入賞。『くさをはむ』(講談社)が第41回講談社出版文化賞絵本賞受賞。その他主な作品に、『チュンタのあしあと』(あかね書房)、『まんまるがかり』(理論社)『やきいもするぞ』(ゴブリン書房)など多数。
出版社からの内容紹介
レンゲソウの花の茎を絡ませながら編んでかんむりにしたり、開く前のタンポポの綿毛を瓶に入れて綿毛の瓶詰を作ったり…。撮りおろしの写真で、春の草花遊びの楽しさを伝えます。絵本をヒントに、屋外で遊んで、自然を身近に感じましょう。植物に触れて、その性質に気づけば、科学する心も芽生えます。
出版社からの内容紹介
はるちゃんは植物が大好き。毎日、庭で花や草木を眺めて過ごします。今日は1番好きなスミレの花を鉢に植え替えて、部屋に持ちかえりました。これでずっと一緒にいられます。
今夜は月が紫色にかがやく特別な夜。月の光が、部屋の中も紫色に照らしだします。すると……鉢に植えられていたスミレの花がむくむくと動きだし、「はるちゃん、遊びましょう」。
さあ、夜のお散歩のはじまりはじまり。
植物たちは根っこで対話している。身近な自然の中の不思議な営みを、ファンタジックな世界観で子どもたちに優しく伝えます。はるとスミレに誘われて読みすすめるうちに、気づけば植物たちの声に囲まれているような、そんな感覚を覚えます。
リソグラフの手法を用いて、瑞々しくグラフィカルに描かれた画面も魅力的です。
出版社からの内容紹介
ゆき深い森の中,ねむっている動物たち。
春の気配を感じて目をさまし,はなをくんくん,かけだします。
こどももおとなも春がまちどおしくなる絵本を,坂本美雨さんのやさしい英語と日本語で。
英語絵本一冊に,英語・日本語の朗読CD1枚と日本語対訳ガイド付属。
この書籍を作った人
アメリカ ボルティモア生まれ。ピーボディ芸術学院で絵と音楽を学び、その後、ニューヨークのパーソンスクール応用美術科を卒業。夫クロケット・ジョンソンとのコンビ作品も。1993年没。
この書籍を作った人
〈1915-2013年〉フランス・パリでスペイン人の両親のもとに生まれる。1935年に渡米し、1939年にエマ・G・スターン作の児童文学の挿絵でデビュー。以来、多くの作品で高い評価を得る。2013年7月、惜しまれながら97歳で亡くなる。
出版社からの内容紹介
漢字学習にもぴったりの、感じる漢字絵本
小学1年生で習う漢字80字がすべて入った「漢字を感じる」絵本。中川ひろたか氏の文に、ブラティスラバ世界絵本原画展にて金のりんご賞を受賞した画家・きくちちき氏が、大らかでのびのびとした絵をつけました。
【青い空。金いろにひかるお日さま。虫も花もみんな、力づよく生きている。】
特に、小学一年生で習う漢字80字は、ゆたかな自然や、楽しい学校生活を感じられるものばかり。その80字をすべて使って中川ひろたか氏が書いた情景を、きくちちき氏がのびのびと生き生きと絵で描ききりました。
漢字を習い始める時期のお子さんにもおすすめの絵本です。
この書籍を作った人
1954年埼玉県大宮市生まれ。日本ではじめての男性保育士として、5年間千早子どもの家保育園に保父として勤務。1987年、みんなのバンド「トラや帽子店」を結成。リーダーとして活躍。「みんなともだち」「世界中のこどもたちが」などは、たくさんの子どもたちに歌われている。1995年「さつまのおいも」(童心社刊)で絵本デビュー。「たなばたプールびらき」他ピーマン村の絵本シリーズ(童心社刊)、「わりとけっこう」(絵本館刊)などの作品がある。絵本「ないた」で日本絵本賞受賞。絵本作家、詩人の他にも、ラジオDJなど、多方面で活躍中。
この書籍を作った人
1975年北海道生まれ。絵本作家。繊細さと大胆さを併せ持つ作風が編集者の注目を集めるようになり、2012年『しろねこくろねこ』(学研)『やまねこのおはなし』(作・どいかや/イーストプレス)でデビュー。『ぼくだよぼくだよ』(理論社)など。2013年ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)にて『しろねこくろねこ』が金のりんご賞を受賞する。
みどころ
「サクラこうえん」の真ん中にある立派なサクラの木。満開になり、その美しい姿を見ようと週末土曜日にはたくさんの人々が集まります。
ござを敷いて、みんなでおしゃべりして、美味しいものを食べて。「お花見」はとっても楽しいものですよね。
日曜日の朝、公園に遊びに来たハルトが最初に見たのは、ゴミを片付けているミキとおばあちゃん。
「ミキちゃん、なにやってるの?」「みてのとおり、おそうじよ」
そう、お花見でにぎわった次の日の公園は、あちらこちらにゴミがいっぱいなのです。
ミキの強引な誘いもあって一緒に手伝うことになったハルトですが、人が食べ残したり飲み残したゴミをどうして自分が片付けなきゃいけないのか、不思議でしかありません。きたないのに!
そこでおばあちゃんが言います。
「サクラの花が咲くとみんながお花見をするように、サクラの花も私たちのことをちゃんと見ていると思うの」
サクラのお花だってきれいな公園を見たいに違いない、そう言われると何だか急に景色が変わって見えてきます。夏にはひまわりが、秋にはコスモスが、自分たちを見ている。だったら、やっぱりきれいな景色を毎年見せてあげたい。ハルトは思います。明日も来年もずっとおそうじを続けたい。
「じゃあ、約束しよう!」
サクラとおそうじと二人の素敵な約束。この3つを結びつけてくれたのは、おばあちゃん。
その豊かな感性はこうして子どもたちに、そしてまたその子どもたちにずっと受け継がれていくのでしょうか。すっかりきれいになったサクラの下に座ったハルトとミキとおばあちゃんの表情の清々しいこと!
大きくて優しい眼差しにつつまれた、可愛らしく気持ちのいい絵本です。
この書籍を作った人
1961年徳島県生まれ。鳴門市在住。小学校教諭、鳴門市立図書館副館長などを経て、現在は、児童文学を中心とする創作活動と講演活動を続けている。絵本『おこだでませんように』(小学館)が、2009年に全国青少年読書感想文コンクール課題図書に、2011年にはIBBY(国際児童図書評議会)障害児図書資料センターが発行する推薦本リストに選出される。同作品で第2回JBBY賞バリアフリー部門受賞。また、『ふくびき』(小学館)、『ともだちやもんな,ぼくら』(えほんの杜)と共に第3回ようちえん絵本大賞を受賞する。その他の絵本に『もぐらのサンディ』シリーズ@〜C(岩崎書店)、『あたたかい木』(佼成出版社)、『えんまのはいしゃ』(偕成社)、『みずいろのマフラー』(童心社)、『ええところ』(学研)、『メロディ』(ヤマハミュージックメディア)など多くの作品がある。
この書籍を作った人
1982年長野県生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。『たんぽぽのふね』(新風舎)で絵本デビュー。おもな絵本の仕事に『ひとりでおとまり』(福音館書店)、『ゆきのひのいえで』(「おはなしプーカ」学研)など。絵を担当した絵本の仕事に『わたしのくつ』(ポプラ社)、『おかしのくにのバレリーナ』(教育画劇)などがある。
出版社からの内容紹介
家族で楽しめる植物図鑑えほん&はじめて出会う春夏秋冬ガーデニング入門!
春 チューリップ、ヒアシンス、アネモネ/他
初夏〜夏 あじさい、クレマチス/他
秋 きく、ダリヤ
冬〜初春 つばき、うめ/他
この書籍を作った人
神戸市生まれ。神戸女学院大学英文学科卒。おもに草花の絵を中心に1994年ごろから絵本作家として活動。著書に『野の花えほん』『いきもの図鑑えほん』(あすなろ書房)、『幸せの鍵が見つかる世界の美しいことば』(創元社)など。絵本に『くまのこポーロ』『おさんぽ』『おかいもの』(主婦の友社)、翻訳書に『翻訳できない世界のことば』(創元社)、『もしかしたら』『だいすきだよ おつきさまにとどくほど』(パイ・インターナショナル)などがある。ふだん着るものの多くを自分で縫うなど、縫い物が好き。近年、弓道を嗜む。京都市在住。
文/竹原雅子 編集/木村春子