出版社エディターズブログ
2024.05.25
出版社からの内容紹介
「たいへん! ハサミが とれた!!」 畑のわきの小川のほとりに、小さな床屋がありました。
主人は心のあったかい働き者のだんな、ザリガニータです。その腕前はとても評判で、店はいつもお客さんでいっぱい。ある日、大きな鳥に 店をつぶされそうになり、ザリガニータは飛び出して戦いましたが、ハサミを片方失ってしまい…。ザリガニの特性であるハサミの再生を物語に取り入れ、夏の畑の野菜や生き物もたくさん登場します。
この書籍を作った人
1967年、京都生まれ。作品に「とこやのザリガニータ」シリーズ、『はるをさがしに』『コバンとサメロー』(ひかりのくに)、『むしっこサーカス』(PHP研究所)、『カブクワれっしゃ』(佼成出版社)、『どすこい! むしずもう』『アリ王国物語・アリマス国とアリマセン国(鬼頭隆・作)』(ひさかたチャイルド)、「にんじゃ たこまる・いかまる」シリーズ、『つばさ ばさばさ』、歌絵本『おうま』(チャイルド本社)などがある。
当時、絵本の学校の絵本研究科1年目でした。どんな絵本が私らしいか? なんて全く分からず暗中模索。ただただ生き物が大好きで、「ザリガニが主人公の絵本って、ほとんどないよなぁ。子どもたちは、大好きなのに」と、ザリガニのことを徹底的に調べまくりました。
自分の身を守るために、ハサミを取って逃げる(自切)、取れたハサミは再生することを知った私は、一つの疑問が浮かびました。「ザリガニは、取れたハサミが再び生えてくるのを知っているのかな?」これが絵本の核になり、お話創りが始まりました。
20年前のデビュー作ゆえ、当時のことを思い出せなくてすみません。今から思えば、「とこやのザリガニータ」から私のこだわりの絵本の核、生き物の『生態ファンタジー』の作品創りが始まったのですよね。ザリガニの特徴を活かした絵本創りだと思います。
お気に入りは最初の見開きシーンです。誰も出てきていなくて、小川のほとりにある小さな床屋だけの絵です。「とこやのザリガニータ」は、月刊絵本で第4弾まで出ているシリーズで、第5弾に向けて続いております。そんな全ての始まりでもあり、他の2〜4弾にはない、ある意味貴重な場面だと思います。