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人気作品・注目の新刊をご紹介!絵本ナビプラチナブック

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絵本紹介

2021.06.17

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アンナ・アトキンスと世界で最初の青い写真集『青のなかの青』【NEXTプラチナブック】

絵本ナビがおすすめする「NEXTプラチナブック」(2021年6月選定)から、ご紹介する一冊はこちら!

ほとんどの女性が科学教育をうけられなかった当時の社会で、植物学者であるアンナがどのように自分の世界を切りひらいていったのか。毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信を持っておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは『青のなかの青』。青と白で対象物を写しとるサイアノタイプという手法の登場するこの絵本、どんな内容なのでしょう?

NEXTプラチナブックとは…?

絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。 そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「Nextプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。

アンナ・アトキンスと世界で最初の青い写真集『青のなかの青』

慎ましくも研究熱心な学者の人生

  • 青のなかの青

    みどころ

    空の色は、青のなかでも、とびきりの青。
    海の色は、青のなかでも、とくべつの青。

    小さなアンナは、分厚い本を片手に虫を集める父のそばで、両腕にたくさんの野の花を抱きしめる。海辺で拾い集めた海藻を並べ、父に学名を教わりながら、記録ノートをつけていく。彼女は、宝探しの名人で、芸術家で、しかも科学者だった!

「世界で最初の女性写真家」として知られている、19世紀のイギリスの植物学者アンナ・アトキンス。彼女が残したのは「青のなかの青」……日光を利用した、サイアノタイプという美しい青の写真。殆どの女性が科学教育を受けられなかったという当時の社会。科学者にとって重要な場所である学会には、女性の参加は認められず、自然科学の知識を、ほかの科学者と分かちあえる日はなかなか来ない。そんな中、アンナがどのように自分の世界を切り開いていったのか。どうやって、この美しく科学的な写真集を残していったのか。

この絵本では、科学者である父の深い愛情のもとで過ごす、子ども時代のアンナを丁寧に描き出すことで、一人の慎ましくも研究熱心な学者の人生をうつしだします。

アンナは父親について「父の言動は、すべて真心からのものでした。いいかげんなところはまったくありませんでした。友情にも、科学にも、そして自分の子どもを楽しませることに対しても真剣でした。何もかもに、“アモーレ”(イタリア語で「愛」)がこめられていました。」と残しています。(巻末「作者あとがき」より)

その言葉通り、アンナは自分の興味に誠実に、熱心にそして愛を持って接し続けることで、その貴重な研究内容は守られていったのです。

鉛筆、水彩、写真、そしてサイアノタイプを織り交ぜながら描かれているのは、彼女の見ている「青の世界」。巻末には、サイアノタイプの作り方も! 時間をかけ、じっくりと向き合いたくなる、内容の濃い1冊です。

 
 

編集長のおすすめポイントは……

夢中になることの素晴らしさ

色々なものを集め、名前を調べ、観察をし、整理していく。この一連の作業が楽しくてたまらないアンナ。同じ環境にいなくとも、同じ職業を目指さなくとも、夢中になることの素晴らしさが存分に伝わってきますよね。どんな困難な時代の中でも、壁を乗り越える一つの生き方として、方法として、子どもたちにもぜひ触れてもらいたいお話です。

この書籍を作った人

フィオナ・ロビンソン

フィオナ・ロビンソン (Fiona Robinson)

イギリス生まれの絵本作家。ニューヨーク在住。おもな作品にWhale Shines、What Animals Really Like、『世界でさいしょのプログラマー』(評論社)などがある。作品にあわせて、さまざまなことなる素材を絵づくりに取り入れるのが特徴。数々の絵本を発表し、高い評価を得ている。

フィオナ・ロビンソン 作品一覧

この書籍を作った人

せな あいこ

せな あいこ (せなあいこ)

東京生まれ。同志社大学卒業。主な翻訳絵本に『しりたがりやの ふくろうぼうや』『ケーキがやけたら、ね』『ババールの美術館』『おねがい パンダさん』『女王さまのぼうし』『あたし、うそついちゃった』『たった ひとつの ドングリが―すべての いのちを つなぐ』『まほうの さんぽみち』『この まちの どこかに』「あおい ちきゅうの いちにち」シリーズ(すべて評論社)などがある。

せな あいこ 作品一覧

磯崎 園子(いそざき そのこ)

絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)がある。

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