絵本紹介
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2021.07.20
「ボーっと いきてんじゃ ねーよ!」と、世の中の「ぎもん」をスルーして生きている大人たちを叱っているチコちゃんが、1つの「ぎもん」をじっくり深く掘り下げる「絵本 チコちゃんに叱られる」シリーズ。
第1〜4弾は身近な「ぎもん」について考えたり調べたりしたチコちゃんでしたが、最新刊第5弾のテーマは「地球温暖化」! 実はこの「ぎもん」は、絵本独自のアプローチで解説をすることで、チコちゃんと一緒にSDGsについて考えることができる工夫がされているのです。
3歳のチコちゃんが地球規模の「ぎもん」の答えを追い求める、絵本のみどころを紹介しましょう。
出版社からの内容紹介
「何でも知っている5歳児のチコちゃん。3歳の強い台風が来ているときに大人が口々に言っている『ちきゅうおんだんか』について疑問を持ちました。チコちゃんがSDG’sに切り込みます!」
3歳のチコちゃんは、“なんでもしりたがり屋”さん。チコちゃんが地球温暖化について「ぎもん」に思ったのは、台風の接近がきっかけでした。大人たちは、台風にそなえて屋根をシートで覆ったり、窓ガラスが割れないようにテープを貼りながら、口々に「おんだんか」と言っているのです。
そこでチコちゃんは、「おんだんか」について大人に聞いてみましたが、だれもきちんと答えることができません。ここで、チコちゃんが大爆発!
「地球温暖化」について正しい情報を得るため、チコちゃんはつくば市にある国立環境研究所の江守正多博士をたずねたのでした。
実はこの「ぎもん」は、2021年1月8日に放送された「なんで、二酸化炭素が増えると温暖化するの?」の発展型。テレビ番組では、チコちゃんが「水蒸気が増えるから」と答え、温暖化を促進する原因のランキングを発表しました。さらに「このまま地球の気温が上昇し続けるとどうなるのか」という説明では、NHKスペシャル「2030 未来の分岐点」という他の番組の内容を併せて紹介。視聴者の間では、「本当に大変なことになる!」と話題になりました。
絵本では「地球温暖化のぎもん」についてさらに視野を広げ、今地球がどうなっているのかをわかりやすく解説した上で、私たちはどんなことをしていけばよいのかについて考える「SDGs」の視点から答えを導き出すアプローチをしています。
「SDGs」とは「Sustainable Development Goals」の略で、「持続可能な開発目標」のことです。現在世界では、貧困や差別、戦争、環境問題、感染症の拡大などさまざまな困難を抱えており、今のままでは人類が地球で暮らし続けていくことが難しくなります。その問題を解決するために、社会・環境・経済3つの観点から達成すべき17の目標が立てられました。
絵本ナビでも、絵本ナビスタイルの連載記事「子どもと考えるSDGs」でわかりやすく解説しているほか、「SDGs」についてよくわかる絵本などを紹介しています。
さすがに地球規模の問題なので、説明も地球規模。「できるだけわかりやすい例えはなにか?」と考えた結果、「温室効果ガス」を「おふとん」に例えるアイデアが生まれました。みんなも暑くて寝苦しい夜にふとんをどかして寝ていること、ありますよね。でも地球にかけられたふとんは、どんなに暑くなってもはがすことができません。
さらにNHKスペシャルのパロディ「NHコ スペシャル」で、地球の気温が今よりも4度上がった世界を、臨場感たっぷりに説明。
はじめは、気温が4度くらいあがっても我慢できるかもと思っていたチコちゃんも、江戸前のお寿司が全部なくなると知って真っ青! 実際に自分たちの暮らしにどんな影響があるのかをわかりやすい例えで教えてもらうと、もう「自分は関係ない」とは言えなくなってしまいますよね。
こんな風に「チコちゃんに叱られる!」は、大きな問題も「自分の身近に引き寄せる」ことで、自分事として考えられるような“気づき”を与えてくれるのです。ぜひ絵本でじっくりと、理解と考えを深めてみてください。
絵本をすみずみまでよく見てみると、チコちゃんのヒミツがチコっと描かれていることがあります。
『チコちゃんに叱られる ちきゅうおうんがんかって なに?』では、チコちゃんが東京都から江守博士のいる茨城県つくば市に行くために、つくばエクスプレスに乗っているのですが、ここで「ん? なにかおかしいな」と気づいた人は、かなりのチコちゃん&鉄道マニア!
そしてシリーズ全巻を通して、絵本とテレビ番組がチコっとリンクしているのもお楽しみのひとつ。なんと第5弾では、絵本の最後のページで遂に結婚した「あの人」が登場!? 絵本と一緒にテレビ番組も楽しめる、1冊で2度おいしいポイントです。
テレビ番組のおもしろさを活かしつつ、絵本独自のアプローチで、1冊で1つの問題を掘り下げている「絵本 チコちゃんに叱られる」シリーズ。次回最終回では、絵本制作のこだわりと親子での楽しみ方について、文溪堂の編集担当さんのおはなしを交えてお届けします。
次回の更新は、8月5日です。
中村美奈子(絵本ナビライター)
※掲載されている情報は公開当時のものです。