うごく! しゃべる! ぬりえーしょん 海のいきもの (小学館集英社プロダクション)
お子さまの塗ったぬりえが、アニメーションになる!フランス生まれの画期的なぬりえシリーズ!
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すっかりこんな時間、早く帰らなくちゃ。でも……うしろから誰かがついてくる!? 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは『ついてくる』。真っ黒なページに浮かびあがる不気味な物音。このまま怖いだけで終わる絵本なの? それとも?
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
みどころ
遊びに夢中になってたら、すっかりこんな時間。早く帰らなくちゃ。男の子の帰り道は、狭い路地を通り、草がうっそうと茂る橋の下をくぐり、薄暗い山道へと続く。
「ひた、ひた、ひた……」
「かさ、かさ、かさ……」
静かな道中に聞こえてくるのは、不気味な音。うしろに誰かがついてくる? なあんだ、のらねこにビニール袋。それでもやっぱり不穏な空気は変わらない。
「くわ、くわ、くわ……」
「ぴち、ぴち、ぴち……」
なんでそんな暗いところ所を通るの? そんな怖そうな道、どうして平気なの? 読んでいるこちらの緊張は、どんどん高まってくる。大丈夫かな、平気かな。すると……。
真っ黒なページに浮かびあがるのは、意味ありげな言葉の響き。夕方の美しさとはまた違う空気の色。空に浮かんでいるのは、月!? 絵本全体からこれでもかと醸し出してくる危険な雰囲気。ページをめくるたびに襲ってくるのは、不安と小さな安堵の繰り返し。でもなんだかこの流れ、どこか変じゃない?
読み終わった後に残るのは、やっぱり怖さ? それとも安心感? 不思議な魅力で惹きつけるこの絵本、ちょっとクセになってくるのです。
ちょっと疲れたけど、なんだか心地いい
とっても怖いはずなのに。追い詰められているはずなのに。最後まで読んだ時の驚きは、また味わったことのない感覚で。気がつけば、すっかり心が揺り動かされているのです。ちょっと疲れたけど、なんだか心地いい。2回目に読む時は、また違う景色に目がいくのかな。そんな風に子どもたちに読み親しまれる「怖い絵本」になっていきそうですよね。演出も、独特な色彩も、とっても魅力的な1冊です。
この書籍を作った人
東京都出身。東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。ドワーフというコマ撮りアニメーションのスタジオで監督をしたり絵を描いたりしています。好きな妖怪は河童。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)がある。