ある夜、ペニーさんの動物家族のひとり、 やぎのスプロップは聞きなれない動物の話し声を耳にします。 声の主を探しに来たスプロップたちは、 木の上にいたクマのオラフとチンパンジーのスージーに出会います。 彼らは大嵐に紛れて、サーカスから逃げ出してきたのだそうです。 「サーカスに帰りたくない」という2匹の願いを聞いたペニーさんは、 サーカスの団長さんに、2匹を売ってもらえないか交渉することにしました。 でも、貧しいペニーさんには、2匹を買うお金なんかありません。 それでも冬の間だけ2匹を預かることになりました。 スージーとオラフから、芸を教わった動物たちはめきめきと技を磨いていき、ついには…。
絵本としてはちょっと長めのおはなしは、 物語を楽しめるようになった4、5才のお子さんにオススメ。 サーカスのテントで馬やブタ、牛などが芸を見せる場面では、 生き生きとした動物たちがページの隅々まで描きこまれていて、 観客のにぎやかな歓声まで聞こえてきそうなくらい臨場感にあふれています。
色鮮やかなモノクロ世界の絵本『もりのなか』で世界中を魅了した巨匠・マリー・ホール・エッツの大人気シリーズ完結編。 1961年に出版された日本未翻訳作品が、ついに発売となりました。
(木村春子 絵本ナビライター)
馬やヤギなど、いろいろな動物となかよく暮らしているペニーさんのところへ、ある夜、サーカスからにげだしたチンパンジーとクマがやってきました。もうサーカスにはもどりたくない、というふたりに、心やさしいペニーさんは…? 『もりのなか』などで知られるエッツの古典絵本。ロングセラー『ペニーさん』『ペニーさんと動物家族』に続くシリーズ第三作・完結編。徳間書店の子どもの本・20周年記念作品。
とても長いお話ですが、エッツらしい丁寧な描き方による絵は白黒とおもえないくらいの奥深さがあります。ペニーさんの優しい眼差しは動物を愛するエッツの眼差しとおもいました。ただたんにかわいがるだけでなく動物たちの気持ちをくんだうえで一緒に暮らすという方法は素敵でした。 (もぐもぐもぐもぐさん 30代・ママ 男の子5歳、男の子2歳)
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