ピーターはひとり、にわにすわって考えています。「ママのたんじょう日になにをおくろう」おねえちゃんたちは、手づくりケーキや絵をプレゼントにきめ、つくっています。ピーターは考えつかないまま、ベッドにはいり、すてきなゆめをみました。ほしにとどきそうなほど、たかい木、おとなしいどうぶつたちやめずらしい鳥などに、取り囲まれている夢です。そして、おもいつきました。「ママに、せかいいちきれいな木をあげよう」――やさしく、繊細な末っ子のピーターは、バーナデット・ワッツの弟がモデル。少年の微妙な心の揺れを、情感あふれる自然描写とともに描いています。日本オリジナル作品。
バーナデット.ワッツさんはイギリス生まれの方なんですね。ピーターの家の庭に見とれてしまいます。
ピーターが夢の中で行ったステキなところにある、世界で一番きれいな木の頁の絵と文章が、表紙の絵になっています。
お誕生日のプレゼントを二人の姉のように、ママに手渡しできなかったピーター。でもママは、にっこり笑って、ピーターを抱きしめてくれます。きっと元気に育っているピーター自身が何よりのプレゼントですよね。
夏から秋へ、そして冬に細い枝に小さな薄桃色の花をいっぱい咲かせた冬桜の木。
ピーターよかったね!
近所にも冬桜の木があります。
11月、父が亡くなってから3日後、その木には薄桃色の花が咲いていました。最後の頁の冬桜の木を眺めていると、心が温かくなってきました。 (わさんぼんさん 60代・その他の方 )
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