おや、深い深い海の底、 ぼんやりと見える明るい光に誘われていってみると・・・・。 大きな巻貝の中にお店をかまえた「ちょうちんあんこう」の「ぴかこ」さんがいました。 ぴかこさんのお店では、深海では見たことのない花のぼうしや 葉っぱのかばん、なんともめずらしいものがたくさん並んでいます。 素敵な品揃えにお客さんも大満足。 でも、謎は深まるばかりです。 だって、ぴかこさんの売ってるものは、 海の中では手に入らないものばかりなんですもの。 一体、ぴかこさんはどうやって手に入れてるのかしら。 ぴかこさんはお店を閉めるといくところがあるみたい。 それも決まって月のでない夜。 海面にむかって上へ上へ、泳いでいきます。 どうやら海の外でなにか秘密のお仕事をしているようなのです。
なんとも変わった、なんとも不思議でやさしいお話です。 ぴかこさんが照らす光の先にあるやわらかな笑顔と時間。 ヒトデ柄のエプロンを身に着けたぴかこさんが愛くるしく、 その光に照らされた登場人物もみなとてもいい表情をしているのです。 なによりも、作者の松山円香さんが表現する繊細な美しい暗闇と光の世界に酔いしれます。 静かな夜に届くぴかこさんが放つあたたかい光。 おやすみ前に読む素敵な一冊がまた増えました。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
ちょうちんあんこうのぴかこさんは、雑貨屋さん。でもじつは、もうひとつ、秘密の仕事があるんです。ある日、お店を閉めると、ぴかこさんは海の上へ泳いでいき……。月の出ない静かな夜を舞台にした、優しさあふれる物語です。
優しいお話だと思います。
海の世界と、夜の世界を描いていますが、
どちらも薄い青やグレーをベースにした色で
ぴかこさんのひかりのみキラキラしています。
とても幻想的だと思います。
お話自体もゆったりをしていて、
寝る前にいいと思います。 (ジョージ大好きさん 40代・ママ 男の子8歳)
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