おとうさんがもうすぐかえってくる! 遠くの町で仕事をしているおとうさんが「しあさって」かえってくる、とおかあさんに聞いたくまのこ。けれども「しあさって」の意味が分かりません。カレンダーを見ながら、おかあさんに「しあさって」の意味を教えてもらうと、「あした、あさって、しあさって」と言って、その日を楽しみに待ちわびます。
うさぎのこと遊んでいるときも、きつねのこがおとうさんと歩いてくるのに出会ったときも、友だちみんなで絵を書いている時も、くまのこの頭の中はおとうさんが帰ってくることでいっぱい。たびたび「ぼくの おとうさんが かえってくるよ」ということばが口から出てしまいます。けれども次の日になっても「しあさって、かえってくる」と言ってしまうくまのこに、親切なうさぎのこが1日たったから「あさって」だと教えてくれましたよ。 そのうち「あさって」は「あす」に、そしてとうとう「あす」は「きょう」になって…。
低学年ぐらいの子どもたちには、「あさって」までは分かっても「しあさって」を理解するのはなかなか難しそうですよね。けれども分からないながらも1日1日を楽しみに待つくまのこの嬉しそうな様子には、読んでいるこちらまでワクワク嬉しくなってしまうほど。
お話を書いたのは、もりやまみやこさん。いつもさまざまな出来事に出会う子どもたちの気持ちを丁寧にすくいあげて描かれるお話は、読んだ後、温かく幸せな気持ちにさせてくれます。はたこうしろうさんの描くくまのこや、お友だちのこたちもとってもかわいらしくて、子どもらしさがいっぱい。そんな子どもたちの生き生きとした姿を見ていたら、何か楽しみなことがあったときに、1日1日を数えながら待っていた子どもの頃の気持ちを思い出しました。
2015年の低学年課題図書にも選ばれているこちらの作品。くまのこと同じぐらいの年齢の子どもたちは、いったいどんな風に読むのでしょう。何を感じるのでしょう。親子で、思ったこと、感じたことをあれこれ話してみたら、感想文の筆もすすみそうですね。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
とおくの町で仕事をしているお父さんが、ひさしぶりに、帰ってくる! くまのこは、うれしくてたまりません。お母さんに、「あした、あさって、しあさって」の意味を教えてもらい、「しあさって」を楽しみに待ちます。
くまのこがお父さんが帰って来るのを心待ちにしている様子を
「あした」「あさって」「しあさって」という日付の呼び方を使って、
日ごとに帰って来る日の呼び方が変わり、
その日がだんだんと近づいてくるのを表現していて、
とても面白かったですし、
楽しみで楽しみでしかたがない気持ちが伝わってきて、
とてもほっこりするお話でした。 (hime59153さん 40代・ママ 男の子6歳)
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