終戦間際のある村で、疎開してきた少女「あのこ」は、馬と話すことができるという。 村の子どもたちは、半信半疑で庄屋の馬を連れ出し、「あのこ」をみんなの前で話させることに…。 1966年に理論社から刊行された絵本『あのこ』を、装いも新たに復刊することになりました。 本文は、黒をベースにして神秘的に蘇ります。
空襲を避けて疎開した村での話ですが、現実感とは離れた幻想的な童話になっています。
馬と話ができるという町の女の子を、否定し排除しようとする疎開児童に村の子どもたち。
受け入れられない自分を感じて、空襲の町に帰っていった女の子。
馬もチョウチョも象徴するものがよくは分からないのですが、不条理の世界で心の痛みが悲しく残されたお話です。
宇野亜喜良の絵と、黒地に書かれた文章に、感性的な雰囲気が立ち込めていました。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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