
江國香織+荒井良二で、新しい絵本を作りました。「いつか、ずっと昔」というタイトル。もちろん文章は江國さん、そして、絵はぼくで。 江國さんの文章にわざわざ絵を付けたいとは思わないけど、いっしょに本を作るのはとても楽しい。同時に恐い! でも心は喜んでいる、このくり返しの中で常にぼくは嬉しく悩むんだよ! しかしながらこのとまどいはすぐに何の役にも立たないってわかるんだ。だって江國香織の文章は、どんな絵がこようと壊れたりしない強さがあるから。そう思ったらこちらは楽しさだけが体中に漲り、ぼくらしく振る舞えば良いのだ、ということになる。 江國さんの文章が、遠くへ行く列車だとすると、ぼくの絵は車窓から見える道路。車が走る道だったり、土の道だったり、小さく見える自転車に乗った人だったり。そして、川になったり、黒い山並みになったり。列車が駅に着くころ、ぼくの絵は列車のまわりの空気になる。そんなふうになればいいなあと思いながら絵を描く楽しさ。嬉しい瞬間。 読んでいる人は、いつしかこの絵本の主人公と入れ替わってしまい、少し昔を振り返ったり、今を確かめたり、これから過去になるであろう近い未来に思いを馳せたりするかもしれません。決してしかめ面ではなく、ある幸福感に包まれて。そんなふうに楽しんでもらえたらぼくは嬉しいし、この本もきっと喜ぶだろうと思います。

江国香織さんが書いた文に荒井良二さんが絵をつける、そんなスバラシイコラボがあるのか!といそいそと手にとりました。
ドラマチックすぎる出だしでしたが、急速に物語の中へ引き込まれていく・・・
蛇にあっというまに戻るように、私もぐんぐん物語に飲み込まれていく。
文章がリアルで、絵が抽象的で そのバランスが心地よくって
溺れるように読みました。
春先に読む、結婚前に読む、夫が寝静まった夜に読む。
大人の絵本です。 (うららさん 30代・ママ 女の子5歳、女の子3歳)
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