おかあさんやぎが、かわいい七ひきのこやぎを留守番にのこして、出かけることになりました。 「おおかみにはきをつけるのよ。ぜったいにドアをあけたらいけませんよ。」 ところが、おおかみが「おかあさんだよ、あけておくれ」とやってきます。 「うそだよ。おまえはわるいおおかみだろ」と、追い返すこやぎたち。 でもおおかみは、しゃがれ声をきれいにし、真っ黒い足を小麦粉で白くして、何度もやってくるのです。 とうとう、七ひきのこやぎはだまされてドアをあけてしまい、そこへおおかみがとびこんできて……!?
グリム童話「おおかみと七ひきのこやぎ」は、幼稚園や保育園でくりかえし読まれる人気のお話。 劇やごっこ遊びの題材になるなど、幼い子を強くひきつけるようです。 おおかみとのドキドキするやりとり。そしてドアをあけたこやぎたちが次々食べられるなか、いちばん小さな七ひきめのこやぎだけが、狭い柱時計のなかに隠れて生き残り、おかあさんといっしょに兄弟を助け出すストーリーが、きっと子どもに深い印象を残すのでしょう。
「どんくまさん」シリーズで知られる柿本幸造さんが『おおかみと七ひきの子やぎ』(1979年刊、のち絶版)に描いた絵に、那須田淳さんが文章を書き下ろし、このたび、あたらしい絵本として誕生しました。 よみがえった柿本幸造さんの貴重な絵、そのあたたかな色づかいやなつかしさをたっぷり味わってくださいね。 こやぎたちの無垢な目、おかあさんやぎの表情にぐっとひきよせられます。 みんなでおおかみをやっつける、終盤の場面にも注目ですよ。 柿本幸造さんと那須田淳さんのお二人が、30年以上の時をこえてタッグを組んだ、あたらしいグリム名作絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
お母さんやぎから「絶対に玄関のドアを開けてはいけない」と言われて、留守番をしている七ひきの子やぎたち。そこへおおかみがやってきます。子やぎたちは、おおかみの足を見て、おかあさんの足ではない、とドアを開けませんでした。するとおおかみは足に小麦粉をぬって、ドアを開けさせようとしますが……。子やぎたちとおおかみとのやりとりや、最後におおかみが子やぎにこらしめられるところなど、読みどころもたっぷりなグリムの名作。
※この本は、1979年刊行の『講談社の絵本(25) おおかみと七ひきの子やぎ』(文/植田敏郎 絵/柿本幸造)の絵に、那須田淳が文を書きおろし、新たな一冊としたものです。
『おおかみと七ひきのこやぎ』と言えば、誰もが知っているグリム童話の定番作品なので、物語そのものにコメントをしづらいのですが、那須田淳さんの文は、オオカミのズル賢さや残虐さを抑え、マイルドな物語に仕立てているように思います。
柿本幸雄さんの絵が先なので、絵にあわせた文になったのでしょうか?
オオカミがあまり悪党に見えず、可哀想に思えるのは何故でしょうか?
それにしてもヤギのお母さんは、オオカミのお腹を切ったり縫ったり、強くて頼もしいですね。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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