ずっと聞いてみたかった祖父の秘密。それは、祖父の若かりし日のできごと。そして、だれにも話せなかったほど、つらく衝撃的なできごと・・・。
孫の祖父の物語ですが、孫の名前がマイケルとあることに、とても現実感をもたせた作品です。
戦争がもたらす悲劇を痛烈に感じさせる作品です。
魚雷を受け沈没する船から生還したものの、「化物」のようになってしまった祖父を、家族は受け容れることができなかったのです。
かつて水頭症の障がいを直視できなかった、自分の未熟さを思い起こしました。
どうしても、変わり果てた外見と、知っている姿の差異は、受け容れられなかったのでしょう。
祖父は、自分を助けてくれた恩人の死も、拭い去ることができません。
淡々と語られる物語ですが、船倉のもたらす悲劇を、痛烈に鋭利に心に刻まれました。
感情を抑えたジェマ・オチャラハンの絵が、作品を一段と重厚にしています。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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