姉妹に生まれたら 誰だって一度はこう思ったことがあるはず。
「いもうとって、ずるい!」 「おねえちゃんて、ずるい!」
一度どころじゃないかもしれない。 もうそれは年がら年中思ってるかもしれません。 小さい頃、ずっと一人で独占していたものが ある日を境に、突然自分のものじゃなくなる。 ましてや自分は特別扱いされなくなって、 その上、自分以外の誰かの面倒を みなくちゃならないなんて。
「おねえちゃんなんだから、がまんしなさい。」
そんなのずるい。 でも、くやしい気持ち以上に やっぱり妹がかわいくて いたずらしたり、気を引こうとしたり。 ちょっかいをだしてしまう、 お姉ちゃんと妹って不思議です。
この絵本は、そんなお姉ちゃんや お姉ちゃん予備軍に贈る その名も「いもうとガイドブック」。 妹がやってくる前に もしくは妹がいるお姉ちゃんに おすすめしちゃいます。 私、お姉ちゃんでよかった〜と考えた方を ポンッとかえてくれるヒントが 見つかるかもしれません。 もしくは、やっぱり!私だけじゃないんだわと ホッと安心させてくれるかも?
絵本の作者は、イギリス人絵本作家ポーラ・メトカーフさん。メトカーフさんにはお姉さんと妹さんがいるそうです。どちらの気持ちもわかるからなのか、そのユニークで、ウィットに富んだ妹対策にはどれもニヤリとしてしまいます。この極意を妹が読んでしまったら、先回りしてお姉ちゃん対策に使われてしまうかもしれませんね。文章に寄り添うように軽やかな線で描き出されるキュートな姉妹。女の子ならキュンときてしまう色使いで絵本に彩りを添えたのは、同じく姉妹のいるイラストレーターのスザンヌ・バートンさんです。
最後は、やぱっり姉妹でよかったなぁと実感させてくれるお洒落でユーモアたっぷりのかわいい絵本です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
小さいいもうとがいると、おねえちゃんは大変。 いもうとはどこへでもついてくるし、なんでもまねするし……。 でも、いいこともたくさんあります。 それはどんなことかって? それは、この本を読めばわかります。
なんでしょう、こんなぴったりな絵本なかなか出会いません。
私自身も妹がいて、
うちの子たちは6歳と2歳の女の子です。
私は兄もいたせいか均衡は保たれていました、
しかし、私の子どもたちは小さなことでバトルばっかり。
仲よくしていると思ったら、もうケンカ。毎日げんなりです。
姉妹のいざこざは女子特有の
嫉妬や繊細さとかもあって、いやな感じ・・・ですが
この絵本はそれを感じさせません。
白地にポイント程度に柔らかな色のついた可愛い絵本。
おしゃれなデザインの絵で、カラッとした内容、
気負わずサクサク読めます。
そして教えてくれます。
姉妹フォローのヒントや、
こまった状況を笑いにする考え方を。
姉妹(どのきょうだいもかな?)あるあるが満載です。
妹のリモコン連打、工作潰し、おしゃれのマネ。
そうそう、なんかちゃっかりしている妹は
姉の横でいくつも飛ばしで体験していることは多いです。
お姉ちゃんのイラスト、
風貌が上の子(6歳)に似ているので、かなり笑えました。
その、うちのお姉ちゃんですが
読んであげたら、くすぐりっこの図を真剣に覚えようとしていました。
やるつもりですね。
ガイドブック風のかしこまった言い方の、
お茶目なススメが面白いです。
赤ちゃんを出来立ての食パンにたとえたり、
世にある赤ちゃんガードを使いこなしましょう、など。
くくっと笑わせながら
妹の扱いを楽しむコツ、スタンスみたいなものを
教えてくれています。
ちゅーやぐるぐるされなくて助かるよね、
おやつはしれっと多めにとればいいよね――
二人の関係をゆるく可愛く、
楽しいほうに導いてくれる絵本に
私も力を抜いて二人に向き合いたいと思えます。
最後のページ、二人が寄り添って眠っています。
この絵本で一番の、姉妹両想いの風景。
思わず笑みがこぼれました。
いろいろあるけど、
二人がいろんな意味で分かりあえるのは
まだまだ先のことでしょう。
今は現状(まだまだです)で大丈夫!
彼女らの抗争にちょっとぐったりの私も、
温かな気持ちになり、そんな希望を持てました。
姉妹トラブルだって少しは可愛いものに思えてきます。
女の子複数のママ、パパには特にオススメの絵本です。 (ととくろさん 30代・ママ 女の子6歳、女の子2歳)
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