レニーは、王様ライオンのおじいちゃんが大好き。でも、王様らしかったおじいちゃんが最近疲れて忘れっぽくなり、ある日、すごろくのやり方だけでなく、レニーの名前まで思い出せなくなってしまいました。おじいちゃんはどうなってしまったのでしょう? レニーはおじいちゃんに、前のように元気になってほしいのです。おじいちゃんの昔からのお友達と一緒に、どうしたらいいのか考えるレニー。みんなでいいことを考えつきますが、おじいちゃんは…。
『わすれられないおくりもの』で、死をあたたかい視点で捉え直し、子どもから大人まで多くのファンを持つスーザン・バーレイさんのやさしいイラストによる、認知症をテーマにした胸に迫る感動の絵本です。 変わっていくおじいちゃんを心配するレニーが、徐々におじいちゃんをいたわる頼もしい姿になっていくのがとってもすてき。日によって体調や記憶力が不安定である一方、遠い思い出について話す時は記憶が鮮明になり笑顔もこぼれるシーンなど、認知症についてリアルに描かれ、読んでいると胸に迫ってきます。 どの家族にも必ず訪れるおじいちゃん、おばあちゃんの「老い」。孫の子どもたちにどう伝えたらよいのか難しいですよね。この絵本は、おじいちゃんおばあちゃんのことを、お子さんにふさわしいタイミングで、やさしく伝えるのに本当にぴったり。レニーみたいに、「わすれても大丈夫。いつまでもそばにいてあげるよ。」と言ってあげられるようなあたたかな家族になりたいですね。
(長安さほ 編集者・ライター)
レニーのおじいちゃんは、森の動物たちの王さま。かしこくてやさしい王さまライオンでしたが、ある日、すごろくのやりかたも孫のレニーの名前もわすれてしまい…。“認知症”になったおじいちゃんとそれを認めてあたたかくささえる孫と祖父の幼なじみの友人たち。認知症をわかりあえる絵本です。
賢くてやさしい森の王様のライオンが、年を取って
認知症になってしまいます。
孫息子のレニーが、ある日思いついたおじいちゃんの子供の頃の遊び。
おじいちゃんは、幼馴染みの、ヌーやカバたちと思いでを語り、とても元気になります。
これを読んで、私はおじいちゃんの病気の進行が止まって改善されるのかと思ってしまったのですが、そんなわけにはゆきませんでした。
そして月日がたち、レニーも、おじいちゃんの年に近づいてゆきます。
みんな、そうやって精一杯生きてゆくのだなあと思います。
(capellaさん 60代・じいじ・ばあば )
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