
ふうちゃんが、まんまるしょうてんがいを通りかかると、なんと店の看板の絵たちがとびだしてきました! たこやき屋のたこやん、和菓子屋のくりまんなどが、俳句で店じまんをはじめます。そこへ大型スーパーの売り物の絵が大勢やってきて、俳句で対抗。その迫力に押され、商店街組はしゅん。見かねたふうちゃんはたまらず飛び入り参加しますが、さて、勝負のゆくえは……? オールカラーのゆかいな絵童話です。

【あらすじ】
ふうちゃんが近所の商店街を通り抜けようとすると、お店の看板から絵が飛び出してきます。スーパーからもキャラクターたちが飛び出してきて、因縁の対決!昔ながらのまんまる商店街 VS 最近できた大型スーパー。 俳句によって雌雄を決する時が来たが…
思わぬ解決策に、心が温まる一冊。読了後は俳句を作ってみたくなります。
【感想】
季語や約束事にこだわらず、のびのびと楽しく俳句を作って欲し、という作者からのメッセージ通り、作品中の俳句は、変な俳句やギャグ、商売繁盛の標語のようなものまである。そのゆるさが、俳句や他の文学作品に親しみを覚える効果があるらしく、自分も五七五で何かを表現してみたくなってしまった。
生活力あふれる「ふうちゃん」はたぶん、小学校高学年くらいの女の子だと思う。「じゃりン子チエ」(昔の漫画)を連想した。
この作品みたいな、人と人との触れ合いがある昔ながらの商店街は、心が癒される。スーパーやコンビニは、どうも殺伐としていてあまり好きになれない。商店街で買い物する時と、やはり感じるものが違う。
私はスーパーで働いた経験があるけど、暴力的な言葉を投げかけられたり、上司が効率最優先でまるで人間を機械のように扱うような嫌な体験をしたりして、不思議といい思い出がない。個人商店も、人間が運営してるから、嫌なこともあるのだろうけども、いつも行く商店街の、いつものおばちゃん、おっちゃん、おねえちゃん、おにいちゃん達が、今日も元気そうにしているとホッとする。何も買わなくても、お店がやっているとわかると、なんとなくありがたい。地元ではない土地で、親戚でもない人たちだけど、なんだかゆるくつながっている。自分の思い込みだけかもしれないけど、商店街ってそういうところがあっていい。(ま、スーパーも便利ですけど) (渡”邉恵’里’さん 30代・その他の方 )
|