「しかし、だれも疑問に思わない円周率に、そこまで興味をもたれるとは、ほんとうに孝和どのはおもしろい人だ」
円周率3.14が、まだ使われていなかった江戸時代。円に魅せられ、その謎を解明しようとした数学者がいた。彼の名は、関孝和。
円周率の計算や、筆算による計算の発明など、数々の偉業を残し、日本独自の数学・和算を、世界と競えるレベルにまで押し上げた彼の、少年時代からの物語。
小学校5年生の算数の教科書(円の単元)に、必ずといっていいほど登場する関孝和ですが、その業績については、ほとんど触れられていません。彼の少年時代から壮年時代にかけての物語を通して、当時の数学・和算や関の業績について、わかりやすく伝えていきます。
関孝和を題材にした初めての児童書です。
和算・・
この言葉を、私はこの本で初めて知りました。
また、この日本独自の数学「和算」が
江戸時代に、実は、世界の最先端を走っていたことも初めて知りました。
主人公の関孝和は
数学を極めるため、数学だけに没頭するのではなく
まず家族を大事にし、日々の生活を大切にしていたことにも
強く心を打たれました。
円周率の解を追い求める本筋もしっかりしたストーリーなんですが
ちょっとしたロマンスめいた展開もあり
最初から最後まで飽きさせない一冊です。
(やこちんさん 50代・ママ 女の子14歳)
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