けいたくんはもうすぐお兄ちゃんになります。だけどお兄ちゃんってなにかな? 新しい命との出会いと戸惑い、そして心からの喜びを幼い子の目線でやさしく描いた傑作絵本。
ねぇ、しってる?とこちらに投げかけられたタイトル・・
思わずなになに?とページをめくりたくなります。
けいたくんの友達、ぞうのそらさん。
けいたくんとそらさんの会話が絵本になってストーリーが展開していくのですが、けいたくんの嬉しいようなさみしいようなお兄ちゃんになることへの複雑な思いがとても素直にあらわれていて、キュンとしてしまいました。
初めてお兄ちゃんになる時、みんな少なからず赤ちゃんにママを取られてしまったような気持ちになるのではないでしょうか。
みんなみんな、今までは自分にかまってくれていたのに、急にゆうとくん、ゆうとくんって抱っこばかりして。
この絵本の中では「大事な子ども」という事を「だいじっこ」という言葉で表現してあります。
初めは、間違えてるのかな?と思ってしまったのですが、何度もその言葉を聞いていると、言葉に丸みがあって温かみがあって・・なんだかとても親しみが持てる言葉に感じました。
まるーく、やさしく、包み込んでくれているような・・
言葉の魔法でしょうか。
少しずつ、けいたくんの心もゆうとくんを受け入れて、そらさんを貸してあげるまでに。
そらさんとお話が出来なくなっても・・けいたくんはどんどんお友達が増えて、そしてママに抱っこしてもらって、「だいじっこ」を感じながら過ごすことが出来ています。
子どもの心の成長を感じさせてくれる優しい絵本です。
赤ちゃんのイラストといえば私はいせひでこさんと思っているほど大好きなのですが、その優しいイラストがより、この絵本を引き立ててくれているように思います。
お兄ちゃん、お姉ちゃんになるお子さんに是非。
そして、ママにも。
(Pocketさん 40代・ママ 女の子14歳、男の子10歳)
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