なつかしい昭和の頃の出来事を、一枚一枚のページにとじこめたユニークな絵本です。 おばあちゃんがまだ小さな女の子だった頃、都会の下町の、親戚の家の2階に住んでいました。 夜寝るときは、親子3人で川の字になって眠ります。弟は生まれる前でした。
家の前は、舗装されていない道で、雨がふるとどろんこになりました。 ゴムとびやフラフープで遊ぶのが流行っていました。 やがて家族は団地へ引っ越します。 おばあちゃんは小学生になり、友だちと駄菓子屋さんにいったり、貸本屋さんで漫画を借りたり、ときどきは家族でおめかししてデパートにいったり…。
絵本を開くと、そこには、「おばあちゃんがこどもだったころ」の風景があります。 そして、昭和を代表する物品の数々が、絵の中によみがえります。 真空管テレビや、真空管ラジオ。自動式電気炊飯器。 オリエンタルカレーやオロナインのホーロー看板。 ホンダのポートカブや、ダイハツのミゼットなどの二輪車。 おじいちゃんやおばあちゃんに本書を見せたら、生き生きとかつてのことを教えてくれるかもしれません。
小さな女の子だったおばあちゃんが成長するにつれ、プレハブの校舎から、デパートやお店が立ち並ぶ大通りへ、デパートのレストランや屋上の遊園地、学生運動がさかんな大学、大阪の万国博覧会と、視点は大きくひろがっていきます。
この絵本を開きながら、おじいちゃんやおばあちゃんに子どもの頃の話を聞いてみませんか? 今のようにスマートフォンなんてなかった時代。 でも子どもたちは昔も今と変わらず、毎日精一杯楽しんでいたみたいです。 表紙では現在の東京タワー、裏表紙では建設中の東京タワーを見ることができます。 激動の時代とともに、移り変わってきた風景を見くらべてみてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
昭和中期、まだ多くの道が未舗装でした。 その後テレビが普及、東京タワーが建ち、万博開催……
激動の時代を、当時子どもだったおばあちゃんの目線で伝えます。
昭和の時代のできごとを、絵本という形で今の子どもたちに伝えていきます。
21世紀に入って世の中は大きく変わりました。 たとえ昭和のできごとでも、今の子どもたちには想像もつかないことが多いのではないでしょうか。 そんな、今のおばあちゃんが子どもだった頃のことを、絵本を通して子どもたちに伝えていくというのがこの本の作られたきっかけです。
当時のできごとを美しい絵本を通して知ることは、子どもにとっても楽しいだけではなく、とても役に立つことだと思います。 あなたもぜひ、あなたが子どもだったころのことを子どもたちに伝えてあげてくれませんか?
この絵本の絵からものすごく昭和の良き時代が感じられました。あの頃は良かったなあ、今みたいになんでもあるわけじゃないけれど幸せだったことを覚えています。そして家族が家族でいられた時代。最近は何でもありすぎて人も変わってしまったように思います。この懐かしい昭和の感じがすごく表現されている絵本、子供たちに読んであげたいと思いました。絵の色使いもすごく懐かしさを感じられる色遣いで良かったです。 (ピンクちゃんさん 40代・ママ 女の子14歳、男の子7歳)
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