真実を追究する少年の奮闘物語
一緒に暮らす認知症のじいちゃんが、交通事故に遭って意識不明となる。しかも車を運転していた人に損害賠償請求をされてしまった。「絶対におかしい!」と憤る少年は、自分で調べはじめる。真実は見つかるのか?
作者村上しいこさんは、今、最も注目される児童文学作家です。ほのぼのとした幼年童話や絵本が多く、子どもたちにも人気のある作家ですが、初めての長編『ダッシュ!』が大変好評で、その後長編としては、2作目となる『歌うとは小さな命のひろいあげ』で野間児童文芸賞を受賞しました。それぞれ少年少女の抱える問題や社会的テーマをリアルに描き出し、次々と問題作を発表しています。 今回の作品は、昨今の大きな社会問題となっている"認知症老人"と暮らす家族の物語です。 いっしょに暮らす呆けちゃったじいちゃんが、ある日交通事故に遭って意識不明となります。にもかかわらず車を運転していた人に損害賠償請求をされてしまいました。法律のことなどよくわからない両親は、「なぜ?」と憤りつつもどうしていいかわからず、言われるままに支払ってしまいそうになります。横目で見ていた少年は、「絶対におかしい!!!!」と、どうしてこんなことになってしまったのか自分で調べはじめます。社会の仕組みに納得いかない少年の前に、生死をさまようじいちゃんが、ふらふらと現れて、「暮らすってどういう意味だ〜?」なんてぼけたことをつぶやいたりします。少年は、納得のいく真実を見つけることができるのでしょうか? ちょっとユーモラスに、ちょっと少年探偵風に、難しい問題を解き明かします。
10歳児に感想を聞くと、
中3なのに、じいちゃんの手続きとかを
警察や裁判所に行って頑張ってた。
だから、すごいと思った。
おじいちゃんが好きだから、
みかんやさくら、イチジクなどの木を育てていて、
肥料とか雑草抜きとかもやってて、
熱心だなと思った。
「まねできる?」
と聞くと、
「できるわけないじゃん」と言っていました。
感想は表面的なものしか聞けませんでしたが、
面白かったのか一気に読んでいました。 (まことあつさん 30代・ママ 男の子10歳、男の子8歳)
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