家の「本部屋」で見つけた、両親のどちらかが小学生のころに読んだはずの本。どうしてだかぼくは、それを親に隠れてこっそり読みたくなった――。『小公女』を読み始めたルカは、主人公にツッコミを入れつつ、両親がスマホを与えてくれない理由を聞きつつ、幼なじみや転校生と日々の雑談をこなしつつ、この本を読み終えることができるのか? 「読書離れ」とか言われてしまう今時の子どもたちよ、本好きでなくても、読書はできる!
ぼくの家には壁一面に天井まである本棚が置かれた「本部屋」がある。そこで見つけた、紙カバーに包まれた文庫サイズの本。ぼくの両親のどちらかが小学生のころに読んだはずの本。 どうしてだかぼくは、それを親に隠れてこっそり読みたくなった――。
『小公女』を読み始めたルカは、主人公のセーラ・クルーの行動にツッコミを入れつつ、両親がまだスマホを与えてくれない理由を聞きつつ、幼なじみや転校生と日々の雑談をこなしつつ、手にした本を読み終えることができるのだろうか? 幼なじみのナナ、2年ぶりに一緒のクラスになった安田、読書好きの転校生カズサとの日常は、この「読書」によってどんなふうに変わっていくのだろうか?
映画化もされた『お引越し』で知られる児童文学作家、ひこ・田中が描く、本好きではない少年の1週間の読書体験。「読書離れ」とか言われてしまう今時の子どもたちよ、本なんて好きではなくても読書はできる! この本で逆襲せよ!! 【対象:小学校高学年以上】
主人公の小5男子、ルカの一人称で綴られた作品です。
自宅で両親が本部屋と名付けた部屋。
そこで、カバーの付いた本に出会ったルカは、
その古典をこっそり読み進めていくのですね。
いづれも、私が子どもの頃愛読した作品。
それだけに、現代っ子の、しかも男子が読むというシチュエーションにびっくり。
でも、そもそも、作者がこんなにも読み込んでいるのですから。
そう、読書って、物語の登場人物たちと対峙することだということがわかります。
思春期に差し掛かったルカの気持ち、友だちとの距離感、
そして、親の気持ちも分かるだけに、ただただ感服しました。
訳者の違いにも言及していて、これも醍醐味。
実は私も、原書を入手したほどですから。
うん、意外に古典も素敵だって、体感してもらえると思います。
ちょっとした読書入門としても、ぜひ。 (レイラさん 50代・ママ )
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