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『好色一代男』『世間胸算用』などで知られる江戸時代の作家、井原西鶴の作品を翻案した短編集。財産あらそいをめぐる悲喜劇「牛と刀」、夜の芝居小屋を舞台にした怪談「真夜中の舞台」、金もうけに取りつかれた男の運命「わるだくみ」など、笑いと悲哀のまざりあった世のなかの姿を、鋭い観察眼と豊かな空想力で描き出す七編。
まともに井原西鶴の作品を読んだことがなかったのですが、タイトルになった「ぬけ穴の首」をはじめ、なかなかにディープな作品集だと思います。
笑えない滑稽さというか、何か人の性の哀れさを感じたり、物事の理不尽さを感じたり、人に訴えるような重さを感じました。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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