ようこそ、かめのいけのりばへ! もうすぐ ゆうらんせんが しゅっぱつします。
『つばめこうくう』『ぽっぽこうくう』に続くシリーズ第3弾。空の旅に続く今作は、遊覧船での水上の旅!
友達の家に遊びに行くカエル親子が、池の乗り場で待っていると、やってきたのはカモの親子。 「これより ごじょうせんを かいしいたします。 こそだてちゅうのため、コガモたちも ごいっしょさせていただきます。どうぞよろしく!」 カエルや虫、小さなお客たちがカモの背中にある客席に乗り込むと、船はコガモたちと一緒にゆっくりと川をくだりはじめ、楽しい遊覧船の旅のスタートです。 船の中ではゆっくりと流れる景色を眺めながら食事もできます。 カエルパパは大好きなワインを片手にいい笑顔!
優雅な旅に、ページをめくる手もうっとり。 文章を声に出して読むとのんびりと旅行気分が高まります。 船から見える美しい川沿いの風景は、茶筒のビルに、プランターの花壇の映画館、割り箸の橋(わり橋)などなど、建物や看板の文字まで、ワクワクしたりクスッと笑えるみどころがいっぱい。 遊覧船の船内やすれ違う別の船、小さな生き物たち。隅々まで細かく描き込まれた絵は、じっくり眺めても見飽きることがありません。 今回は、遊覧船のカルガモがコガモ連れという設定なのもたまらないポイント。 旅の途中のコガモたちの様子も観察してみてくださいね。
カエル親子は、目的地に着くまでに、どんな旅の思い出ができるでしょうか。 旅の楽しさが詰まったシリーズ。ぜひ他の作品もあわせて手に取ってみてください。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
鳥を乗り物に見立てた人気シリーズの第三弾は、カルガモの親子が遊覧船として登場します。ゆったりと川を下りながら見る景色は最高! そんな中、急な雨に見舞われますが、橋の下で思いがけないコンサートが始まり……。
素敵な絵本に出逢えました。
久しぶりに絵本を読み聞かせました。もうすぐ小学生になる娘。読書好き。最近は小学校についての本や、図鑑ばかり。しかも一人で読むようになったので、気づけば読み聞かせから遠ざかっていました。
南国を思わせる、くっきり鮮やかな色づかい。あたたかい文字。物語を追いつつ、看板の言葉や動物、虫たちの表情など、細部までじっくり、何度も読み返したくなります。カエルおやこやカモのおやこだけではなく、テントウムシ一家やアリの観光ツアーなど、違う生き物たちに着目して読み進めると、新しいストーリーが誕生しそうです。
絵本のどこまでもひろがる楽しさ。そして親子で一緒にくっついて味わう、かけがえのない時間の大切さにあらためて気づくことができた、節目となる思い出の絵本となりました。 (あにちゃんさん 30代・ママ )
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