お祭りの日。ぼくは、念願だった「きんぎょすくい」に挑戦。だけど、全然うまくいかない……ちょっと泣きそう。その時、隣にいた男の子がそっと金魚を一匹入れてくれた!
大事に育てるために、金魚鉢を買いに行ったその店にいたのは、昨日の男の子。3つ年上だというたろうくんは、夏休みの間に隣の町からおじいちゃんとおばあちゃんのところに遊びに来ているんだって。大事そうに見せてくれたのは、去年の「きんぎょすくい大会」でもらった2等賞のトロフィー。たろうくんは「きんぎょすくい名人」だったのです。
そこで、今年はぼくも一緒に大会に出ることに。 手作り「ポイ」と「ゼッケン」をつけて、たろうくんと1等賞めざしていざ特訓です。
まずは軽くストレッチ、そして深呼吸。 ななめにそーっと、ポイを入れて……
全くできなかった事に挑戦する「ぼく」のまわりに登場するのは、かっこいい年上のおにいちゃんとちょっと遠くから優しく見守ってくれる大人たち。自分で見つけた目標だから、大人は邪魔しちゃいけません。憧れの世界に飛び込んでいく時の気持ちというのは、何にも代えがたい大切な体験だからです。ひと夏だけれど、ずっと心に残っていくであろうこの出来事を瑞々しく描き出すのは松成真理子さん。夢中になっている男の子の顔って、なんて可愛いのでしょうね。
さて、きんぎょすくい大会当日。ふたりの結果はいかに?それは絵本を読んでのお楽しみ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
縁日で、金魚すくいの名人にであったぼく。ぜんぜんすくえなかったけど、名人に教えてもらいながら、ついに金魚すくい大会の日をむかえます。さあ、深呼吸をして……。ひと夏の体験をみずみずしく描きだした絵本。
絵本なんだけど、一番読ませたいのが、小学生男子(中学年)。
と限定するのはいかがなものかと自分でも思うけど、
現在小4の息子に読ませました。
うちの息子はちょっと淡白で、
何かに熱くなるってところをあまり見たことがない。
これを読んで何か感じてくれよっという気持ちです。
金魚すくいがうまくいかなくて、
悔しい思いをする主人公。
金魚すくいに情熱を燃やすお兄さんと出会い、
とことん練習して金魚すくい大会に出場する。
金魚すくいだけど、
ものすごいスポ根ストーリーです。
金魚すくいの練習のシーンでは、
ドカベンの主題歌がかかっていそうです。
素直に主人公を応援したくなります。
この年まで息子は金魚すくいをしたことがありません。
この本を読んだことだし、
秋のお祭りでは、必ずやらせたいと思います。 (Tamiさん 40代・ママ 男の子9歳)
|