帽子売りの行商人は、頭の上に売り物の帽子を乗せ、「ぼうし、ぼうし、ひとつ50円!」とかけ声を上げながら町から町へと売り歩きます。 ある日のこと、この日は朝から帽子がひとつも売れません。行商人は長いこと歩いたので、大きな木の下でひと休み。売り物の帽子がちゃんと頭に乗っているか確かめてから昼寝を始めました――。どのくらい寝たのでしょう。目が覚めたとき、疲れがとれて気分はさっぱり。……でも大変! 大事な売り物の帽子が頭の上からなくなっています!
1940年の初版以来、世代を超えて読み継がれてきた米国の古典絵本。最後に笑いが待ち受ける傑作です。何といっても抑えた色合いで全体を包む、シュールな画風のイラストが印象的。頭の上に、自分の格子縞の帽子のほかに売り物の帽子12個を乗せて歩く行商人の姿は、中でも特に目を引きます。この独特なイラストの持つ不思議なイメージが、帽子が消えたという謎の事件の緊張感や、後半に繰り広げられるユーモアの度合いをいやおうなしに高め、本作品の大きな魅力になっています。 帽子がなくなってしまったのは、実はおさるの群れの仕業だったのですが、行商人がどうやって帽子を取り返したのかは読んでからのお楽しみ。登場人物のしぐさがありありと目に浮かぶ状況描写や、笑いを引き出す「間(ま)」を生かした文章は、時代を超えてキラリと光っています。ストーリー展開のおもしろさは、古典絵本と称される人気のほどをうかがわせてくれます。 ――(ブラウンあすか)
昼寝中にサルの群に帽子を盗られてしまった帽子売り。取り戻そうにも、サルは高い木の上で帽子売りの真似をするばかり。さて、どうやって帽子を取り戻したでしょうか。
頭にぼうしを高〜く重ねて歩く行商人の姿もとてもユーモラスだけど、何でも真似をしてくるサルが小憎らしくもあり、また可愛くもあるんだな。表情がカワイイし。
サルのセリフの「ツー、ツー、ツー、」を、行商人の真似をしてるんだってことを意識して読んであげたら、このお話の楽しさがよりよく伝わるみたいです。お話の真ん中辺り、木の枝いっぱいに帽子を被ったサルがたくさん現れるシーンなんか、子供たちはとても喜んでくれていました。そして真似の繰り返し。どんどん腹を立てていく行商人と、ただ真似しているだけのサル。子供たちの笑い声が聞こえるたびに、読んでて思わず「やったぁ〜!」と嬉しくなります。
ぼうしが1つ50円っていうのも・・・ね! (とねキチさん 30代・その他の方 )
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