ひよこちゃんがね……。 「ぴよぴよ あのね ねずみさん だいすきよ」 って、耳もとでおはなししたんです。
そしたら、ねずみさん、うれしくて飛び上がっちゃった。 今度はねずみさんがあひるさんに 「ちゅうちゅう あのね あひるさん だいすき」って。
そしたらあひるさんもうれしくて、羽を広げて踊っちゃう。 あひるさんも、うさぎさんの長い耳におはなしします。 うさぎさんも……?
しもかわらゆみさんの、こまやかに毛先まで生き生きと動物たちを描く、細密画が愛らしい。 小首をかしげてこちらを見つめるつぶらな瞳や、ぬくもりが感じられそうな体つき。 うれしくてたまらない!というふうに、飛び上がったり羽を広げたりする全身の表情がチャーミングです。
最後はお母さんと子どもの「だいすき」が描かれます。 読んだら、目の前の子に頬ずりしたくなっちゃう。 「だいすきよ」って、そっと耳もとでおはなししたくなっちゃいます。 親子に、笑顔としあわせを運んでくれる絵本です。
しもかわらゆみさんが描く動物の絵本をもっと読みたくなったら、『ぽつぽつぽつ だいじょうぶ?』『おすわり どうぞ』もあわせてご覧くださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
ひよこちゃんがねずみさんに「だいすきよ」。ねずみさんはあひるさんに「だいすき」。あひるさんはうさぎさんに……。すきなきもち、うれしいきもちが、動物たちのからだいっぱいに表現された、読み聞かせにぴったりの絵本。 読み聞かせ1歳から ひとり読み3歳から。
しもかわらゆみさんの絵が大好きで、いつも、魅了されます。特に、このお話の動物たちの姿にはきゅんときました! 全身で喜ぶ姿がかわいくて、喜びが伝わってきます。読んでいるこっちも、にんまり。お話も素敵。言われてうれしい言葉が、つながって、喜びがひろがっていく。みんなが幸せになっていく様子に、心があたたまりました。贈り物にしたい絵本です。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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