「わたし」のめざめと、「みんなのために」と…… 子どものこころの歩みを、音楽のように目で聴く、絵物語。
「あ、ぼくはかんがえている」、チュンチュン、ピーチク、さわがしく暮らしていた、むくどりのヘンリーが、ある日、ふと気づきます。「ぼくはヘンリーだ」。うれしさのあまり、「ぼくって、すごい」。 でも、この考えは怪物に食べられて、たちまち粉々に。そうだ、だれかさんの、ごはんになっただけだけだ。でも、ぼくにはしなきゃならないことがある、みんなのために。「みんな」のための「わたし」へ、親指ヘンリーの大冒険。
子どものコミカルな発想と行動を描いて、日本で評判を呼んだ前作『ぼくたちの いえは どこ?』に続く、イギリスの気鋭の絵本作家、ディーコンとシュワルツのコラボ作品。
いつもの集団の中で生活していると、自分で考えることをしなくても困らないし、考えることをしなくなってしまうという警鐘でしょうか。
どちらにしても、そのために命の危険を犯したヘンリーは強烈な個性です。
結果オーライの内容ではあるけれど、冒険物語としてとらえるには、ちょっと理屈っぽ過ぎの展開でした。
それにしても、指紋を絵に使うなんて個性的ですね。
刺激的な絵本でした。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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