女の子がズボンをはく。今では当たり前のことが、許されない時代があった。そんなことって、考えられる? それも、たった150年前の本当の話。
女の子が着ることができたのは、きゅうくつなドレスだけ。動きにくいし、息をするのも楽じゃない。だけど、それがおかしなことなんて、みんな思わない……でも、メアリーだけはちがった! 彼女はズボンをはいて、町へ出かけた。すると、とにかくもう大騒ぎ。
「とんでもない!」 「ズボンなんかはいて、後悔するぞ」
みんなの言葉には屈しないメアリーだったけれど、やっぱり胸にささる。どうして、みんなが文句をつけるのかわからない。そんな時、お父さんが言ったのは……。
この絵本の主人公のモデルとなったのは、後に女性初の軍医として活躍し、フェミニストとして知られたメアリー・E・ウォーカー。巻末には、その当時ズボンをはいて撮られた写真とともに、彼女の半生の解説も収められています。
常識だと思っていたことが、常識ではない時代があった。道を切り開いてくれた人がいた。それだけでも、子どもたちには大きなインパクトのあるお話のはず。そして印象的なのは、多くの大人たちが「かわってしまうのがこわい」と感じてしまうという事実。私たちは、いつだって変化していく時代のその「途中」にいるのです。とっても魅力的に描かれた、メアリーの姿に元気をもらいながら、自分たちにとっての当たり前を考えていかなくてはいけませんよね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
今から約150年前、女性はズボンをはいてはいけないという常識に疑問を投げかけ、非難されても抵抗した少女がいました。後に女性初の軍医として活躍し、フェミニストとして知られたメアリー・E・ウォーカーの幼い日を描く。
「MARY WEARS WHAT SHE WANTS」が原題。
そう、自分の着たい服を着るメアリーの実話です。
1832年にニューヨーク州で生まれたメアリー・エドワーズ・ウォーカーが主人公。
当時は、女の子の服装は窮屈なドレスだけ。
それが、「当たり前」だったのですが、メアリーはそれに疑問を感じるのです。
ズボンをはくことで、「自分の着たい服を着る」ことを訴えたメアリー。
ストーリーではさらりと描かれていますが、
巻末の解説を読むと、逮捕などたくさんの逆風もあったようですね。
小学生くらいから、「当たり前」について考えるきっかけになりそうです。 (レイラさん 50代・ママ 男の子29歳、男の子26歳)
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