憧れ・迷い・希望・苦悩……世界中の母親の気持ちに寄り添う1冊
世界累計24万部を超えるベストセラー。世界中の母親が子を慈しむ気持ちや、繰り返される日々の中で奮闘する姿、母と子のかけがえのない一瞬を詩的につづる大人の絵本です。ボローニャ国際児童図書展で注目の作家の美しいイラストと、内田也哉子の愛にあふれた翻訳でお届けします。
「世界中のお母さん、あなたがあなたでありがとう」ーー内田也哉子
初めから「お母さん」である女性は誰ひとりいません。血のつながりがあろうと、なかろうと、この世に生まれてきた子どもと何かを共有し心を通わせるところから母親は、はじめの一歩を踏み出します。きっと、子を育てる世の女性たちは、繰り返される日々の中で、転んだり、ぶつかったり、試行錯誤して、いつしか母になるのでしょう。(訳者あとがきより)
世界中のあらゆる国の母親の姿を描いたこの絵本には、ある特長があります。
それは絵を担当しているカンタン・グレバンさんの名前が先にあって、文を書いたエレーヌ・デルフォルジュさんの名前があとにあること。
文と絵が別々の作者でできている絵本はたくさんありますが、普通は文を書いた人の方が先に印字されています。
二人の経歴を見ても、エレーヌさんはこの本が初の著作で、カンタンさんはボローニャ国際児童書展に何度も入選している絵本画家です。
となると、カンタンさんの絵が先にあって、エレーヌさんがあとから文章を書いたのかもしれません。
でも、一組の母と子の絵は2つずつ。
そこにつけられた文章は、長いものもあります。
そうなれば、お二人で話しながら作っていったのかもしれません。
その創作過程が気になりますが、読者が絵を見ながら自由に物語を紡いでも面白いと感じました。
訳者の内田也哉子さんは、樹木希林さんがお母さんで、自身三人の子どもさんを育ててきました。
その内田さんはこの絵本について、「世界中の女性の生き方。まなざし、何に憧れて生きているのか、何を恐れ、何と日々向き合っているのかといった本質的な部分が、ママン=母親という1つの切り口からあぶりだされている」と感じたといいます。
この絵本に出てくる母親がすべて幸せな人ではありません。子育てに苦労している母も、子供から離された母もいます。
そんなさまざまな母と子の姿から、幸せとは何だろうと考えている自分に気づくはずです。 (夏の雨さん 60代・パパ )
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