働き疲れた老機関車がこっそり夜のひとり旅に出かけます。機関車と少年の冒険と友情を描くほのぼのとしたファンタジー。
6歳の長男に読みました。あまり乗り物には興味を示さない息子ですが、今度の休みにSLに乗ることになったので、何か関係するものを読んで興味を引き出せればと思って選びました。
小学生の読書に推薦されているのをよく見かけます。61歳の機関車1414号が、ある日毎日のルーティーンワークに疲れてしまうと、運転手のアルフレートが一晩の休みを取ることに手を貸してくれます。すると1414は一人で夜中に旅に出かけたのです。
もちろん鉄道関係者は大騒ぎ、アルフレートも心配しますが、当の1414は少年ペーターと出会い、自分でも思いもよらなかった冒険をおかすことになります。そして、翌朝の発車時刻に遅れずに駅に戻るのです。
鉄道を走るからこそのスピード感、危機感なども随所にちりばめられており、機関車トーマスで知られる『汽車のえほん』シリーズと共通する面白さもあります。
スリルがあってドキドキして引き込まれる話ですし、読み終わった後もとても清々しい気持ちになります。訳者のあとがきを読んで納得したのですが、やさしい心が世の中を明るくするという著者の哲学が全体を通じてよく伝わってくるからだと思います。
推薦書になるだけの理由があります。一見地味な本ですが、お勧めします。 (さみはさみさん 40代・ママ 男の子6歳、男の子2歳)
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