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江戸の昔、左甚五郎という世にもまれな彫り物師がいた。上野寛永寺の鐘付き堂に彫った龍が、夜な夜な柱を抜け出して不忍池の水を飲む、と大騒ぎになるほどの名人だった。その腕を見込まれて、日光東照宮に猫を彫ることになった甚五郎だったが、なぜかぶらぶら歩き回ってばかりで一向に仕事にかからない。ある日、お百姓の家の庭先を通りかかった甚五郎は、ある光景を目にして「これだ!」とひらめいた……。
大人には馴染みの深い、日光東照宮の眠り猫、そしてその作者の左甚五郎。
彼が眠り猫を彫るまでの話が描かれています。
現物を見た事があったり、史実として知っている大人としては、昔話を読んでいるような面白さがあるのですが、まだ見た事のない子供には、内容がイマイチ伝わりにくかったようです。
勧善懲悪だとかとんち話という訳ではなく、偉人伝のようなお話なので、分かりにくかったのかもしれません。
でも歴史を学ぶようになれば、面白さが分かるのではないかと思う一冊です。 (hime59153さん 40代・ママ 男の子10歳)
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