マーガレットはサンタクロースに憧れる女の子。 クリスマスになると、近所の人達にささやかなプレゼントを配ります。 ところがなかなかちゃんと喜んでもらえなくて、少し悲しくなってしまうのです。 でも、今年のクリスマスはちょっと違います。 何と言っても「本物のサンタクロース」になれると言うではありませんか! さんかく帽子をかぶり、小さな小さなクルミ割り人形に連れられて、大きくて真っ白な鳥に乗り、 3色のプレゼントの入った包みを持って・・・さてどんな素敵な夜が待っているのでしょう。 少女の小さな願いや切ない思い、そして揺れ動く気持ちなどが繊細で丁寧に描かれている本作品。 (音が聞こえてきそうな)美しく静かな白い色彩の世界と、 小さなものが本当に小さく描かれ、また思っている以上に大きく描かれるもの、 マーガレットの心を映すかのようなその不思議な感覚がこの物語をより幻想的な世界にしています。 そして最後には周りの大人達の優しさがマーガレットを包み込み・・・温かく愛おしい気持ちにさせてくれます。 気持ちが伝わる事の喜び、子ども達だってちゃんと感じているのですね。 クリスマス時期でなくても味わう事をおすすめしたい一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
小さなマーガレットは、サンタクロースに憧れる女の子。クリスマスの前の朝に突然現れたくるみ割り人形のルディが、そんなマーガレットを不思議な冒険へといざないます。トナカイのかわりに大きな鳥にまたがって冬空を飛ぶふたりは、いったいどんな体験をするのでしょうか? マーガレットと一緒にクリスマスの気分が盛り上がる、あたたかなストーリーです! 本書は気鋭の若手画家・植田真の手掛ける、2作目の自作絵本となります。
クリスマスの絵本はいろいろ読みたいですよね。
表紙には、まっ白い鳥にのった三角帽子の女の子。(小人?)
見返しから始まるプロローグ。
優しい雰囲気の絵に、図書館で借りてみました。
サンタになりたいマーガレットの前に現れた、くるみ割り人形のルディと、見たこともない大きな8羽の鳥。(小人じゃなかったんだ。)
自分では、木の実や葉っぱを拾ってきてプレゼントしていたのに、三つの袋の中身が同じようなものでがっかり。(今まで喜んでもらってなかったからね)
マーガレットのくれたくるみを割ってうれしかったというルディと、とけいやのおじいさんが喜んでおいしそうに食べたということ。
そのことに力を得て、プレゼントを配るセント・マーガレット。
三つの袋は、りす、みつばち、野鳥たちへのプレゼントでした。
最後に、とけいやのおじいさんがくれた手紙と、ルディに思わず涙がこぼれてしまいます。
一般に、日本の子どもたちは、おくりものをもらうことばかりだと思います。
プレゼントをあげたいマーガレットの優しさに、ホンワリとした気持ちになりました。
読み聞かせにはむかないですが、紹介だけでもしたい本です。 (きらきら虫さん 40代・ママ 女の子16歳、男の子13歳)
|