昔々のお話です。ある女の子が可愛がっていた猫のタマがいなくなりました。父親によると、年をとった猫はみな、「ねこみみやま」に行って、最期の時をむかえるとのこと。ですが、ねこみみやまに行った者はだれも帰ってきません。だから行ってはならない、と言われた女の子ですが、どうしてもタマに会いたいと山へと向かいます。ですが、途中で霧がわいてきて、道に迷ってしまいました。こまっていると、一軒の家の灯りが見えました。助けを求めたそのお屋敷は…。 日本各地で語られる「ばけねこ」の伝承のなかから、子どもでも怖さを楽しめるものを絵本にしました。 ストーリーテラーとしても活躍する杉山亮さんによる、耳に心地いい語りと、アンマサコさんの超絶テクニックによる圧倒的な描写で、怖くもあり、おかしくもあり、ドキドキしながら、最後にはホッと安心できる作品です。
ねこ屋敷の住人たちはどのように暮らしているのでしょうか。
ねこが人間になり、人間が猫になった生活ですが、それはそれで普通に暮らしているのでしょうか。
そのあたりが薄気味悪く、妙に取り憑かれたような感じがしました。
ねこの孤独感と集団性、人の心を見通しているような、人間を見下しているような、思いあたるあれこれをつなぎ合わせていくと、改めて怖くなりました。
アンマサコさんの巧みな絵に、化かされてしまいました。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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