ひとりぼっちのちいさなおじさんは、とても親切な人。でもおじさんは、いつもいじわるばかりされて悲しい思いをしているのでした。そんなおじさんが、ある日こんな張り紙をしたのです。
「友だち募集中」
玄関前の階段にすわって待つおじさんのところにやって来たのは、一匹のおおきな犬。手のひらをペロリとなめたのです。毎日やって来る犬とおじさんはすっかり仲良し。一緒に時間を過ごし、食事をして、部屋で眠り、散歩にも出かけ。おじさんは思うのです。友だちがいるって、なんて楽しいんだろう! ところがある日、子どもが一人やってきて……。
スウェーデンからやってきたこのお話の主人公は、純朴で素直なおじさん。一見地味なようですが、なんだか愛らしくて目が離せなくなるのです。初めて友だちができて喜ぶおじさん、友だちを取られたような気持ちになって落ち込むおじさん、おおきな犬と再会して、やっぱり喜ぶおじさん。 エヴァ・エリクソンの描くおじさんの表情の変化がとっても魅力的。
心が通じ合う瞬間というのは、見ているだけでも嬉しくなってしまうものなのですね。誰もが気持ちを共有できるからこそ、心があたたかくなる優しい1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ひとりぼっちの、ちいさなおじさん。みんなに親切にしたいのに、その前にいじわるされてしまいます。さみしくていつも泣いていましたが、春のはじめのある日、おじさんは家のそばの木に貼り紙をすることにしました。すると…。
タイトルにひかれ、手に取りました。
いつも意地悪をされてしまうちいさなおじさん。寂しいおじさんは、ある日家のそばの木に「友だち募集中」の張り紙をします。
おじさんというと、豪快とか無遠慮とかのイメージを持ってしまいがちですが、このおじさんはとってもナイーブ。親切でとても純粋なのです。一喜一憂しているおじさんがなんだかとても愛おしく感じます。
どこかで見たイラストだなと思ったら、『パパはジョニーっていうんだ』や『パパが宇宙を見せてくれた』を描いた作家さんでした。静かでふわっとしたイラストがいいです。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子15歳、男の子12歳)
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