美しい切り絵コラージュ絵本です。
ロシアの最も東に広がるタイガという大きな森に住む1頭のトラと森林監視員の娘リィーヤ。お互いの絶対絶命のピンチを命がけで助けることから友情が生まれます。
音をたてて歩かない、相手のことをこっそり観察する。泳ぐことができる。むやみに相手をおそわない…などこの絵本に出てくるトラはタイガの誇り高き主とも呼ばれるアムールトラの特徴をよくあらわしています。
アムールトラはタイガ最強の肉食動物でありながら絶滅危惧種に指定されています。タイガは乱伐や火災、開発などにより危機に瀕しており、また密猟者がトラの命を狙っていますから手厚い保護がないと生きるのが難しい状況です。この絵本の中にも密猟者の罠や森林監視員の仕事などが登場します。トラとリィーヤの友情の素晴らしさと共にこのような厳しい現実もこの絵本は伝えています。
絵が素晴らしいと思いました。
くっきりと浮かび上がって、迫力満点で、リイーヤ、トラ、他の動物たちの存在感があって、遠目が効きます。
お話もスリリングなのですが、読み聞かせしようとすると、その魅力が損なわれてしまうような気がしました。
文章の一文が長くてキレがありません。
もっと、シャープで、スッキリ感の文の方が、お話が引き立つように思いました。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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