遠い遠い北の国、サンタさんの暮らす家があるその深い森に、こりすは住んでいました。こりすはいつも、もみの木からクリスマスのために準備をしているサンタさんの様子を見ています。プレゼントを贈る相手がいるのは幸せなことだと話しながら、サンタさんはビスケットをわけてくれます。コリスはそんなサンタさんが大好きなのでした。そして辺り一面が真っ白になる12月。
「では いってくるよ」
プレゼントを届けに出かける姿を見送りながら、こりすはふと、自分もサンタさんにプレゼントをあげたいと思い立ちます。でも、いったい何がいいのでしょう? 探しているうちに、夜が明けてしまい……。
相手が好きだからこそ、喜んでもらいたいからこそ、何を贈ればいいのかわからなくなってしまうこりす。その健気な姿を見守りながら、いつしか読んでいる私たちもプレゼントの本当の意味を考え始めてしまうのです。何しろ、相手の欲しいものをぴったり当てることなんて難しすぎます。だけど、サンタさんは絵本の中でちゃんと教えてくれます。素晴らしいプレゼントというのは?
小さく愛らしい主人公を、美しい風景とちょっぴり切ない物語で描き出す豊福まきこさん。そんな豊福さんが手がけるサンタクロースの姿はやっぱり魅力的。その世界を存分に味わってくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
北の国、サンタクロースの暮らす森に、こりすが住んでいました。世界中の子どもたちにプレゼントを用意するサンタさん。その姿を見ていたこりすは、自分がサンタさんにプレゼントをあげたいと、思い立ちます。でもいったい何がいいのでしょう? おいしいもの? めずらしいもの? プレゼントを探しているうちにクリスマス・イヴの夜が明けてしまい…。
表紙絵の暖炉のように、温かいストーリー。
一年中、サンタさんを見守るこりす。
そしてサンタさんとの交流も素敵です。
クリスマス、出かけるサンタさんを見送って、
「サンタさんにもプレゼントがあればいいのに」と思う気持ちが素敵です。
でも、どんなプレゼントがいい?と悩む姿は、
案外誰しも経験するような気がしますから、共感どころでしょう。
悩むこりすと、その顛末。
さすが、サンタさん!
これこそ、クリスマスの神髄のような気がします。 (レイラさん 50代・ママ 男の子30歳、男の子27歳)
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