クリスマスの日、そりいっぱいにプレゼントを積んで出発したサンタさん。「早くみんなに届けなきゃ」と急いでいますが……たいへん! プレゼントが落っこちちゃった! 空から落ちたプレゼントは海の中へ。「ぶくぶくぶく」と沈むのを見ていた魚は「このプレゼント、だれのか知らない?」とクジラに相談します。
プレゼントを持ち主へ返すため、クジラはカメへ、カメからウサギへ。「早く届けてあげなくちゃ」「きっと今ごろ探している」と心配した動物たちの、夜のリレーがはじまります。
眠そうに目をこすりながら「困っているひとがいる」と次々大切なプレゼントを手渡していく様子に心があたたかくなります。 そのリレーの行方がどうなるかというと……。「あれっ」というオチに、一緒に読んでいた子どもと顔を見合わせて思わずにっこり。ぜひ最後まで楽しみに読んでくださいね!
月がのぼったばかりの海から、真夜中の森、夜明け前まで。しっかりと塗り重ねた絵具のタッチが、味わい深い。作者の谷口智則さんは「“だれかのプレゼント”を届けることが、自分のプレゼントになる」という想いを込めてこの絵本を作ったそうです。 ちなみに、谷口さんが描いたサンタクロースの絵本は『100にんのサンタクロース』『おおきいサンタとちいさいサンタ』(共に、文溪堂)などがあります。読み比べるのも楽しいかも!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
たいへん!! プレゼントがおっこちちゃった! クリスマスのひ、プレゼントを そりいっぱいに 積み込んで出発したサンタさん。ところがプレゼントが一つ、海に落ちてしまいます。 「これはだれのプレゼント? はやくもちぬしにとどけなきゃ」 空から落ちてきた「だれかのプレゼント」を届けようと、動物たちのリレーがはじまります。 『100にんのサンタクロース』谷口智則の新作クリスマス絵本です。
何とも意味深な題名、しかもどうやらクリスマスプレゼントのよう。
これはこれは、クリスマス本としては見逃せません。
クリスマスの日、サンタさんが配達途中のプレゼントを落としてしまって。
わあ、これは大変。
事情を知らない第一発見者のおさかなさんから、
お届けミッション開始というわけですね。
推理の途中で「空から」とわかったものの、どうやって?
そう、少しでも近づくために、知り合いに託して。
上へ上へ、そのつながりがリレーのよう。
でも、みんな、一生懸命共感してくれて。
世の中捨てたものではありません。
ほうら、無事に、ね。
でも、もっと素敵なラストにほっこり。
巡り巡って、優しさは優しさに。 (レイラさん 50代・じいじ・ばあば 女の子1歳、女の子0歳)
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