ある日、お母さんに言われたんだ。「もうすぐ あかちゃんが うまれるの。けんちゃんに きょうだいが できるのよ」って。けんちゃんは、いつあかちゃんがうまれるのか、楽しみでしかたありません。 そしてついに……ぼくんちに、あかちゃんがきた!
玄関であかちゃんをむかえるけんちゃんの姿。待ちきれずに、靴下で玄関へ飛び出しています。お母さんは、しばらく離れていたけんちゃんにむかって手を広げています。家族の特別な瞬間が、やわらかい光の中で、描かれています。
「あなたのいもうとよ」って言われて、ドキドキしながら、そっと頭をなでるけんちゃん。やわらかいほっぺをこちょこちょすると、あかちゃんも、お兄ちゃんのゆびが気持ちよさそうですよ。ゆびを差し出すときゅっとにぎり、ちゅっちゅっと吸われちゃった! お兄ちゃんになり、はじめてあかちゃんに出会う感動が描かれます。
わが家の小学生がしみじみこの本をながめて「いいなあ」と何とも言えない顔でつぶやいていました。普段はケンカばかりだけど、あかちゃんだった弟と初めて会ったときのこと、思い出しているのかもしれません。
200人以上のお母さんたちに話を聞いて作った絵本『おかあさんだもの』などの著作があるサトシンさんの文に、愛情あふれるタッチで絵を描いたのは松本春野さん。まだ何もわからない様子のあかちゃんが、お兄ちゃんと交流してだんだん変化していく姿に、ぐっと心を動かされます。表情が出てきたあかちゃんは、本当にかわいい!
これからあかちゃんに会う子にも、あかちゃんだった子どもたちにも、読んであげてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
赤ちゃんがうちに来て、ぼくはお兄ちゃんになった。赤ちゃんの頭をなでなでしたり、ほっぺをこちょこちょしたり…。でも急に泣き出してびっくりしちゃった。初めてお兄ちゃんになった喜びや戸惑いを描く幸せあふれる絵本。
妹か弟ができると急にお兄ちゃんになる不思議、お泊りででかけていたお母さんが赤ちゃんを連れて帰ってきた不思議、子供の視線で不思議な感覚を描いた絵本です。
大人と違う観点で考えると、赤ちゃんは神秘ですね。
でも、自然と兄としての自覚も芽生えるのですね。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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