岩城範枝と出久根 育が描く、日本的情緒と不思議なあわい(間)。
テレツクテン テレツクテン ピーヒャラ ピーヒャラ ピーヒャララ ドドンド ドンドン ドドンド ドン ピーヒャラ ピーヒャラ ピーヒャララ
どうです、いい音でしょう? ここは風のとおり道。 だからよくひびくのです。
おじいちゃんの家にひとりで遊びにきたリュウ。にぎやかな音で、夜中に目覚めたリュウは裏口の扉を開けると外はおまつりで大にぎわい。わたがしやさん、おめんやさんに金魚すくい……でも、どこかへんみたい。
昔はお祭りがあるような川だったのでしょう。
それが、治水対策で次第に細くなり、今では暗渠になって、川だった記憶も遠のいてしまったのでしょう。
おじいさんの家はその暗渠の側に建っています。
おじいさんの家を一人で訪ねて、リュウ君は不思議な体験をしました。
昔懐かしい祭の音色、賑わいは、おじいさんの記憶の中にある世界に違いありません。
これは、子どもたちよりも、そんな思い出を持っている大人の懐古の世界かもしれません。
出久根育さんの絵が、思い出に誘い込んでくれました。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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