いたずらっ子のガビは、お医者さんごっこで、ぬいぐるみのくまのボリボンのおなかをはさみでじょきじょき切ってしまいました。さて、ガビが、遊びから帰ってみると、ボリボンが見あたりません! いったい、どこへ行ったのでしょう? たんすの中にも、ベッドの下にも、りんごの木の上にも、暖炉の上にも、地下室にもいません。きっと、にげだしたにちがいありません。ガビは、ボリボンをさがしに出かけます。でも、ボリボンは、山にも、川にも、森にも、野原にもいません。ボリボンは、山からころげおちたのでしょうか、川でおぼれたのでしょうか、森で迷子になったのでしょうか、それとも、おおかみに食べられてしまったのでしょうか? かわいそうなボリボン! ガビが泣いていると……。 『ラチとらいおん』でおなじみのハンガリーの絵本作家、マレーク・ベロニカさんが、40年以上前の処女作を、日本の読者のために、このたび全面的に描きなおしてくれました。
おかあさんの態度がとても素敵でした。悪戯っこのカビに、くまのぬいぐるみを手渡し、「このボリボンと遊びなさい」と。ボリボンと着せ替えごっこをして遊ぶカビには普通の男の子のように思いました。実は私も物を粗末にしているつもりはないのですが、よく壊すほうなのでカビに似ています。カビがお医者さんごっこをして、ボリボリのお腹をはさみで切ってしまったことはないですが、ただ遊び方を知らなかっただけ、お医者さんだからついついそうなってしまったかなあって思いました。ボリボリがいなくなると捜しに出かけたり心配して反省して涙を流しているから優しい男の子だと思いました。ボリボリのお腹を縫って、
「なかよくあそんでね」と一言言うおかあさんがとても素敵でした。
もう、カビには物を大切にすることも充分にわかっているから、おかあさんも自分から気づくのを見守っていたのですね!とても素敵なお母さんに感動しました。 (押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば )
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